「おーい!何しけた顔をしてんの三郎ー!」
「名前か……今の私に話しかけるな」
「もしかして、タソガレドキの雑渡昆奈門に関係してる事?」
「……」
「図星か」

くそ……一番知られたくない奴にバレた。名前は感が鋭いから、なるべく話さないように離れていたのに。

「でも、しょうがなくない?だって、あそこで三郎達が勝っちゃったら、だれでもタソガレドキの組頭になれるって事と一緒だし。負けるのは当たり前だよ」
「そんなの、名前に言われなくても私にだって分かっている!そもそも私は」
「負けた自分に悔しいんでしょ?小さい頃から三郎はそうだもんね」
「……ちっ」
「もう、舌打ちしないでよ」

名前は私の幼馴染だから、私の過去を色々と知っている。そのせいで、何度も周りに教えたくなかった事を言われた挙句、周りからは馬鹿にされる事もあった。やめてもらいたい限りだ。

「昔はそうだったが、今は違う」
「意地なんではらなくていいのに。私の前では忍術学園の鉢屋三郎じゃなくて、ありのままの鉢屋三郎でいいんだよ」
「弱い私でもか?」
「うん。二人で力を合わせればいいじゃない」




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