「はぁ……」

『リュウジ?』

「名前……にい」

瞳子姉さんに、朝の件で最年長として監督不行き届きだったから罰としてスーパーへお遣いに帰って来たら、リュウジが園のベンチに一人で座っていた。(ちなみに3TOPは一番キツい倉庫整理で、治は年少組の子守り)なんか真剣に悩んでるみたいだ。

『俺で良いなら相談にのるけど、どうする?』

「じゃあ、お願いしてもいい?」

『分かった』

俺はリュウジの隣に座った。買った物は食べ物じゃないから大丈夫だろうから、近くに置いておく。そして、リュウジの方へ体を向けて話を聞く体制になった。

「俺さ、本当に前の関係に戻れるのかな?って思って」

『前の関係?』

「うん。ほら、俺ってセカンドだったから一番下なわけだろ。だから皆、前は俺の事を見下してたわけだし」

『なるほどな…。でも、俺はマスターだったんだぞ』

「名前にぃは、別格」

『でも、俺みたいなのはたくさんいるはずだと思うけど』

エイリア時代、上下関係が俺達にはあった。下の者は上の者に従わないといけない屈辱感があり、上の者は上の者で命令するのがつらかった。

それは心の奥底で"家族"の事を思っていたからだ。表面上には出していなかったけど。

『でも、まあ中には素直じゃない奴もいるって事は覚えておいた方が良いかな』

「例えば?」

『晴矢を筆頭した元プロミネンスの皆』

「ああ!!なるほど」

『でも、気にしなくて良いからな。日が経てばちゃんと戻るだろうし』

「俺、名前にぃに相談して良かった。ありがとう」

『どういたしまして』


―皆、同じ気持ち。
(今も昔も、この先も)


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