また、同じ夢を見た。俺達が宇宙人になる日のことだ。あの時は父さんの為に何か出来ることが嬉しかった。

でも今は違う。別に父さんのことが嫌いになったわけじゃない。ただ人を傷つけるのが嫌になっただけ。

だから俺はガイヤを抜けてプロミネンスに入ったのはその時にも少しばかり、そんな気持ちがあったからじゃないかと今考えるとそう思う。

「光太」

『あっ、治。おはよう』

「おはよう。ところで顔が冴えてないが、大丈夫か?」

『大丈夫だよ。少しだけ考え事をしちゃって』

「そうか…。だが何かあったら相談するんだぞ」

『ありがとう、治。さっ、居間に行こう』

「ああ。そうだな」

俺は治と相部屋だから二人で部屋を出て、居間に向かうために階段を下りようとした。だけど、その途中に"ある部屋"から爆音が聞こえた。多分あの部屋はヒロト・晴矢・風介の部屋だ。嫌な予感しかしない…

「アイツら……」

『治、今怒ったって意味がない。ひとまず三人の部屋へいこう』

「分かった」
三人の部屋へくと、取っ組み合いになっていた。そして部屋の壁には凹みとサッカーボールが3つ。誰が見ても必殺技を使った後だって分かる。これは瞳子姉さんに怒られるよな。

「お前ら!!」

「ウゲェ…治じゃん」

「何で君が来るだよ」

「何だウゲェとは!!それに来たって良いだろう!!」

『落ちつくんだ治。晴矢と風介もそういう事を言わない』

「「「分かった…」」」

『ひとまず、ヒロト。何が起こったか説明を』

「うん」

「何で俺じゃないんだよ!!」って晴矢に言われたけど、晴矢って自分の都合が良いように色々とでっち上げるから辞めた。風介は風介で独自のワールドをもってるから、聞いてるうちに意味が分からなくなるから論外。だから一番マシなヒロトを選んだんだ。

「俺ら三人の寝相が悪くて起こった喧嘩なんだ」

『……』

「光太兄さん?」

『それだけでのことで、必殺技をだしだのか?』

「う、うん……」

『はぁ、分かった。とにかく瞳子姉さんを呼んでくるから、三人はそこで正座をしてること』「光太、私も行こうか?」

『いや、いいよ。俺に任せて』

「じゃあ、頼んだ」

『うん』

治にこの場を任せて、今度こそ居間へと向かう。瞳子姉さんの怖い顔が、目に浮かぶけどしょうがない。これも三人の負担を軽減することだからさ。


―俺の大切な家族。
(あの事があったから、俺達はより一層 家族になれたと思う)


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