先日、俺とリュウジとヒロトにそれぞれ一通の手紙が届いた。その内容を大雑把に言うと、FFIの日本代表選考が行われるため、指定された日時に雷門中にくるようにとのことだ。
つまり、俺たち三人は日本代表(仮)に選ばれたって事。ヒロトやリュウジは分かるけど、まさか俺が選ばれるなんて思ってもなかった。俺はプロミネンスの一員だったから、襲撃は殆どやっていない。つまり、アピールしたところは全くもってない。だから、この手紙が届いた時は、てっきり間違えて送られたんじゅないかとも思った。でも、宛名はちゃんと俺の名前だ。
この時、俺は驚きと喜びで感情が交差していた。だけど、ここで喜んだら、選ばれなかった皆に悪い気がしたせいか、俺はそこまで喜びを表さなかった。でも、皆は俺の事を自分の事のように喜んでくれた。治から「名前が喜ばないなら、私が行ってやる」って言われちゃう始末だし。俺はその皆の言葉でやっと自分の気持ちに素直になれたんだ。
そして、今はその荷造りを行っている。洗濯をするといっても、一週間弱お日さま園から出る事になるんだ。しっかり準備しておかなきゃいけない。「名前、そっちは準備どうかな?」
『俺は大体終わった。リュウジは?』
「俺もそんな感じ。それより、ヒロト見なかった?あいつ、まだ荷造り終わってないから」
『見てないな……もしらしたら晴矢と風介に捕まってたりして』
「あり得る……」
一先ず荷物の準備を中断して、俺はリュウジにヒロトを探しに行こうと提案した。それに対してリュウジは賛同してくれて、俺たち部屋を後にする。これはヒロトを思っての言葉でもあるけど、他にも意味がある。それは、合宿所で俺たちの物を使わせ無くないから。別に貸しても良いんだけど、ヒロトはあたかも自分が持ってきたといって、皆に貸し出すのが嫌だから。
暫く廊下を歩いていると、後ろから治の声が聞こえたので立ち止まった。
『どうしたの治?』
「光太、あのバカ三人の喧嘩を止めるのを助けてくれないか?」
「あーあ、やっぱりね」
どうやら、俺達二人の予感は的中してしまったみたい……。
『分かった。因みにどこで?」
「居間だ」
『よし、二人とも行こう』
はっきりいって、この三ヶ月で具体的に何が成長したのか俺には分からない。けど、一つだけ分かった事がある。こんな俺でも、皆から必要とされてる事。どのくらいのオオキサ?と言われても、それは人それぞれ。比べる必要なんてない。だから、その事を良かったんじゃないかな……そう思うんだ。
FIN.
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