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俺に会いたい?◇
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家に帰って読んだ本の、これまた20ページ目にまた落書きがしてあった。


「・・・。」

今度は、なになに。


『お前さん、ようこけるの。』


「は?」

思わず口にでた。

なんだそれ。

確かに最近はよくこけるけど。みっともなく床を這いつくばってますけど!

『好きでこけてるわけじゃないし!』

もしかして私がこけてるのをよく目撃する人だろうか。


だったら自分のクラスか体育の時に一緒のB組あたりだろう。

ともかくなんだこの嫌なやつ!

お前さんって普通の人言わないよね。方言かな?

立海は意外と外部からの入学が多いって聞くから見つけるのは困難。


んー・・・。


頭を抱えながらも、柳生くんのおすすめしてくれたまたもや恋物語を完結させるべく、細やかな活字に向かった。



***************


「おはよう柳生くん。偶然ね。」

「おはようございます。」


『お前さん、ようこけるの』と書かれた本のあとも私は柳生くんにおすすめされた本を読み続けた。


そこの20ページには必ずなにか書かれていた。



『海と山どっちが好きじゃ?』

『マフィンが食べたいのう』

『寒がりなんか?9月なのにマフラー巻いとる。』

『春はまだかのぅ・・・俺も寒くなってきたぜよ』

『るんたった』



なんだるんたったって。

喜びを表しているのか?何に喜んでいるんだ。

と思うとともに

「このメッセージ、何か意図でもあるんじゃないの?」

と思い始めた。

だっておかしいじゃん。なんの脈絡もない話。これもはや暗号じゃない?と思い始めた。

「ねぇ、柳生くん。おすすめの本と・・・暗号解読を手伝って欲しいの。」

「え、解読ですか!?いいですよ!なんなりとお申し付けください。」

と、なぜか柳生くんのメガネがきらり光った。


「本日はこの本を。」

「ありがとう、でね。なんかポピュラーな暗号解読法ない?」

未だキラキラしている柳生くんに本を受け取りながら尋ねると

「そうですね。例えば・・・最近長い文章の最初の一文字などがパスワードになっている、という脱出ゲームを見ました。」


ふむふむ、と暗号のような文をメモってある生徒手帳を開いた。
 
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