02話目 1/3
パコーン
パコーン
なかなか面白い音がする中、私はというと
「なっんで、袖(そで)破るかながっくんは。」
昨日の夕練中にがっくんが破ったらしいジャージの袖を縫っていた。
「おう、歌原。何してんだ?」
「あ、亮おはよ。今ね、がっくんのジャージ縫ってんの。」
「そうか、大変だな。頑張れよ。」
そういって私の髪の毛をくしゃっとなでる。
「うん、ありがと。頑張るね!」
「うっ。じゃ、じゃあな。」
亮、熱でもあるのかな?顔が真っ赤だった。
早めに休んだほうがいいと思うけど。
「おい、睦月!ボールを拾え!」
跡部が大声で私を呼んだのでしぶしぶボールを拾うことにした。
すると
『ガッシャーンッッ!!!』
けたたましい音が鳴り響いて、私は後ろにひっくり返った。
「ひっ!!」
私の目の前を超高速ボールが飛んできた。
「す、すみませんっ!睦月先輩、怪我していませんか!」
フェンスの形を大幅に変えたボールを打ったのは・・・。
「ちょた・・・・。」
うん、大丈夫だよ。フェンスは壊れちゃったけど。
「ちょた、コントロールコントロール。はい、頑張ってね!」
「はい、あと少しだったんですが・・・・。」
私にあたるまで・・・いやいやいや!温厚なチョタに限ってそんなことはない!
「はい!頑張ります!」
そういうとチョタは去って行った。
「ふわぁ〜、ここどこ〜。」
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