01話目 3/6
「侑士ー。入るよー?」
ノックをせずに侑士の部屋に入った。
彼は跡部のように俺様ナルシストじゃないから上裸で誉めることを強制したりしない。
ガチャ
「あ、今着替え中やか・・・」
バチーン(目があった音)
侑士はちょうど寝ていたとき着ていたTシャツを脱ごうとしているところだった。
まあつまり、上裸。
・・・・・。
「見損なったよ侑士!君は・・・・ッ!君だけは俺様ナルシストにはならないと思っていたのに!」
「・・・・ッ!そんな・・・・睦月、待ちぃや!俺はそんなつもりじゃ・・・。」
侑士が私の手をつかんできたけれど、私はそれを振りほどく。
「信じてたのに!侑士もいつかはあの跡部みたいに『あーん?』とか『オレサマのビギに酔いな!』って言うんでしょ!」
それを聞いて侑士はうなだれ、目を伏せた。
しかし次の瞬間彼の低い声が響く。
「ふっ、ばれたんならしゃあない。さぁ睦月・・・・俺の美技に酔いや。」
「きゃー!タースーケーテー・・・・。
ま、それはいいとして。食堂集合。私がっくん起こしてくる!」
「わかった。先行っとくな。」
即興にも飽きたから私は次なる部屋に行くことにした。
それにしても侑士はいつもノリがいい。
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