happy sweet home | ナノ


08話目
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「は?」

丸井くんの素っ頓狂な声を背中に聞いて彼の元まで走り出す。

「ワカ也!」

「え・・・?誰じゃそれ。」

まーくん始めその場にいた人全員アホみたいな顔をしているが私は今感動の再会をすることに忙しい。

「え、あ・・・。」

「ワカ也でしょ!?久しぶり!大きくなったねー!私よりおっきいもん!」

「睦月・・・、睦月姉ちゃんだよな。やっぱりそうだよな!」

相手の方も私に気づいたようでぱあっ、と明るい顔になった。

やはりその明るい顔は以前神奈川の海岸で見かけた幼い少年のまま。

「なぁ・・・あいつ名前間違ってねえか・・・?」

「ですね、かなり危ない方向に。」

「真田、止めなくてええんか?」

「む、しかし女子は少し・・・。だが年上の女性に向かってタメ口とは、赤也!たるんどる!」

いきなり顧問の先生が大きい声を出したことで赤也が固まった。

「男たるもの!常に精進を忘れず!敬意の心を忘れず!鍛錬すべし!それを忘れ、軽い気持ちで女性に触れようとは言語道d・・・

「Be quiet! There were we again now!
It is not blocked. Get to know shame!
(うるさい!私たちは今再会したの!邪魔しないで!あなたこそ恥を知りなさい!)」



しかしそれを私のもっと大きい声が遮った。

「な、なんて言ったんだ・・・?」

「速すぎて聞き取れねえ・・・。」

「俺もじゃ・・・・。」

「邪魔すんな、だとよ。確かに男女の感動すべき再開を邪魔するたァ、それこそ日本男児にあるまじき行為だよなァ?真田。」

真田と呼ばれた顧問の先生をにらみつつ振り返ると

「うわ、跡部・・・。起きたの・・・?」

跡部がニヤリと笑みを浮かべながらたっていた。

「幸村が病院へ向かうそうだ。今忍足と柳を談笑していたぞ。」

「そうか・・・。跡部、この女性は?」

「お前らそこにこいつの知り合いがいるじゃねーか。聞いてみたらどうだ?」

そういってワカ也をチラリ、とみた。

「赤也、話してみろ。」

真田さんがワカ也に促す。

「っす。俺の知り合いで、歌原睦月っす。
おっきい会社の娘さんで、アメリカとかドイツにいたことがあるって言ってました。」

「そうか・・・。この女性は、切原くんの名前を間違えて覚えているようですが?」

なんかテレビ・・・アニメで見たような人がまたワカ也に聞いた。

「それは、俺がいいって言ったんす。ワカ也でいいって。」

とたんに周りがざわっ、とした。

「睦月まだ、あまり日本語しゃべれてなくて。
ワカって、睦月には特に発音しにくい音だったみたいで。

だから俺が俺の名前で練習すればいいって言ったんすよ。
まさか名前を忘れられてるとは思わなかったけど。」

それでワカ也の話は終わった。

「な、あの赤也が・・・。」
「ワカメって言ったら切れるような、あの赤也がかよ・・・。」
「自分から、いいって・・・。」

まだざわざわしている声の中に跡部もいた。

「だから中1の時若のことをピヨってよんでたのか・・・。」

「うん、そうだよ。まぁ、もう大丈夫だけど・・・。ごめんねワカ也。
忘れてて。
もう発音できるから。これからはちゃんと赤也って呼ぶね。」

「睦月、日本語うまくなったんだな!良かったぜ!」

「うん、ありがとう。」

「赤也!年上には・・・」

「Therefore, it has said "Become silent"! You understand, if I say it how many times!
I should just say that it is good!
(だから黙れっていってるでしょ!何回言ったらわかんの!?私がいいっていったらいいのよ!)」

「何回も言わせんなだとよ。ハッ、真田も形無しだな。」

跡部が年上に向かってきつくいうのはあまりない。

いいところのお坊ちゃんだからだ。

もしかしてこの人、生徒?

「え、生徒?」

「今更気づいたのかよ。おせえな。」

跡部が笑ったことで立海のメンバーも笑い出し、それにつられて私も笑った。

さっきの真田っていう人のうるささよりこういううるささの方がこの学校に合ってるんじゃないか、と思った。

それにしても、昔の知り合いに出逢えたなんて、今日はとっても幸運な日だ。


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ミニあとがきーの。
幸村くん血はかないよね・・・。普通。
   
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