08話目 5/6
なにか声がした。
「ほらほら、赤也!早く来いよ!」
「や、俺はいいっすよ・・・・。」
「感動の再会なんじゃろ?」
「違うかもしれないじゃないっすか・・・。」
「でも睦月が睦月がってさっきまで言ってたのお前だろ?」
「まぁ、そうっすけど・・・。」
「たるんどる!男ならばきっちり確かめて、潔く玉砕せんか!」
「真田くん、まだ違うと決まったわけではありませんよ。」
「で、でも俺・・・・。」
そう聞こえたところで肩をツンツンとつつかれた。
振り返ると髪の赤い男の子。
「はい?」
「なぁ、睦月ってお前?」
いきなり聞いてきた赤髪くんに
「ブン太、失礼だよ。名前を聞くときは・・・?」
「あ、自分から名乗らなきゃな!俺、丸井ブン太、シクヨロ☆」
「はぁ・・・。歌原睦月です。こちらこそえっと・・・しくよろ。」
そう言って赤髪くんがしたようにピースサインをする。
「あのよー。お前切原赤也って知ってっか?」
「キリハラアカヤ?えっと・・・・似ている名前の人ならひとり・・・。」
であったときはまだ12歳だった幼い彼。もう逢えないと思ったし、その後逢わなかった。
「似てる?まぁ、いいや。ちょっと会ってくんねえ?」
「・・・いいですよ?」
そもそも名前も違う人となんで会わないといけないのか、なんて思ったけど。
まーくんの隣に立っている幼い頃の面影残ったその姿を見てそんな思いは吹っ飛んだ。
「ワカ也!」
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