08話目 4/6
流血注意報
「あれ、仁王。珍しいね。まともな時間に部活に来るなんて。」
まーくんさんに連れて行かれたところには、
女の子のような可愛らしい人がジャージを羽織って君臨なさっていた。
「あー・・・あれが、幸村精市さん?」
「そうじゃ。幸村は外出許可が降りたばかりでのぅ・・・。」
「いらっしゃい、歓迎するゴパッ」
ビチャ!
その人の美しい顔が歪み、地面に鮮血が滴り落ちた。
歓迎の挨拶って血?血なの?
「治ってへんな、まだ。」
「ゴホッ、ガハッ。うん、治ってないんだ。明日にはまた病院に舞い戻るよ。」
ていうか誰だこの人に外出許可出した医者は。
「あ、これどうすれば・・・。」
そういって侑士におぶさっている跡部を指差す。
「あ、ああ。それならもうすぐ・・・。」
「またせたな。」
ツカツカツカ、と歩み寄ってきたのは
「うっわ・・・・。」
「俺の顔に何かついているか?」
いや、むしろ開いていないとまともに歩けないようなところが開いてませんよ。
「いえ、なんでも・・・。電話の声に似てますね。あなたが・・・。」
「柳蓮二。」
そういって柳蓮二はノートを取り出した。
「ふむ、歌原睦月。
氷帝学園中等部3年G組。
日本人の父とアメリカ人の母をもつハーフ。
しかし父方の祖父がドイツ人であることから日本人とアメリカ人とドイツ人の血が混じっていると考えれば良いだろう。
身長は159センチ。体重は公開していないが46キロ。
趣味はショッピング。何を買うかはまちまちだが最近は特に洋服を買うことがおおい。
スリーサイズは上から・・・」
「きゃー!!!!プライバシーの侵害よ!!」
なぜ知られている。私の情報。
「侑士!喋ったわね!」
「いやいやいや、ちゃうから。睦月の体重今知ったわ!ちゅーか軽いなお前!」
真っ青な顔で否定し「それにしてもすごい情報やな」というあたりこの人は自分で調べたんだろう。
氷帝にはこんな人いないからなー。
どっかの金持ちが金にものを言わせて集めてるからね。
「あ、柳蓮二さん。はやく跡部をどうにかしてください。」
「柳でいい。そうだな。忍足(笑)跡部をそこのベンチに下ろせ。」
柳さんが指差す方向にはまごうことなきベンチがあった。
「え?(笑)ってなに?けなしとんの?」
と、侑士が跡部を下ろしながらツッコむ。
立海の人たちは侑士のこと嫌いなのかしら。
「おー、ホントにいたぜぃ。赤也も来てみろよー。」
← →