08話目 2/6
「「危険な香りがするわ(な)」」
おもに後ろから。
侑士は跡部を背中にしょったまんま、私の手を取った。
「逃げたほうがええな。行くで、睦月」
「了解!」
まあ、器用な人だな。この眼鏡は。
跡部重くないんだろうか。
「いっそこのままほっぽり出して逃げたいんやけどそうもいかんしな。」
重くないのか聞いたら「重い」と素直に返ってきました。
「まあ、まちんしゃい。」
がしっ。
「なっ・・・!」
いきなり腕をつかまれまして。
急ブレーキとともに後ろにつんのめったわけです、はい。
侑士の手から私の手は離れて。
離れた勢いでまあ華麗に空中を飛びまして。
「きゃっ・・・・。」
「睦月!」
トスッ、とかドサッとかいう音を立てて私が落ちたのは
「睦月?お前さん、睦月っていうんか?」
知らない銀髪の腕の中でした
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