06話目 5/5
プルルルルル・・・・。
リョーマの声をさえぎるかのごとく突然なりだした携帯電話。
「誰からだろ・・・。」
着信表示には『跡部景吾』。
ピッ
「はい?」
『テメェ今どこで何してんだ。』
うわ超不機嫌。
「今?知り合いとしゃべってる途中。」
その応答に「俺知り合いレベルなんだ。」と落胆するリョーマ。
いや、こう言っておかないと後で大変なことになるから。寮の壁が。
『今何時だ。』
「え、時報だったら番号教えようか?」
時報だったら何回かかけたことがある。
時計なくして。
『テメェバカだろ。俺様は今何時だと思ってんだって聞いてんだよ。さっさと答えろ。アーン?』
今何時?とリョーマに口パクとジェスチャーで聞いたら「9時過ぎ」と答えた。わお。
「9時過ぎ。」
『おい、待て。今男の声が聞こえたぞ。』
耳が良すぎますね。ある意味耳鼻科に行ったほうがいいよ。
「あー、知り合い男だから。」
『バキッ』
あー、怒り始めた。
寮の壁、ごめんね!後で修理してあげるから。
「でね、今日その知り合いの家に泊ま・・・。」
『(なんや跡部、睦月と連絡ついたんか痛いっ!!)そいつんちの住所を言え。』
侑士の痛いは多分跡部に何かされたんだろうな。
「え、なんで?」
まさかリョーマを国外追放したりしないよね?」
やると決めたらとことんやるのが跡部景吾だからなー。
『(痛い痛い痛い!!やめえって!なんで俺が・・・!!)忍足が死なないうちに言え。』
ごめん侑士。とばっちり。
「ええっと・・・。リョーマ・・・住所。」
『(ユーシ!?大丈夫か?)リョーマ?まさかお前の知り合い・・・越前・・・リョーマか?』
「え、知ってるの?」
『(イダッ!おい跡部!何すんだよ!イタイイタイイタイ!!!)ああ、今すぐ代われ。今度は向日が三途の川を渡るぞ。』
ごめんよがっくん。
「リョーマ。跡部が代われって。」
「ん。」
私からケータイを受け取ったリョーマは跡部としばらく話した後、(なんか猿とかアホとか聞こえてきた・・・。)
「返す。」
と言ってケータイを返した。
「あ、うん。もしもし?」
『おい、今すぐ帰ってこい。迎えは寄越した。』
「えー、」
『おい、鳳、ちょっとこっち来い。(なんですか跡部さん?)』
「わかりました帰ってきます。(チョタが死んじゃう!!)」
というわけで、跡部が寄越した迎えの車で帰ってくるとそこには。
「遅かったじゃねえか。」
「そ〜だC〜!睦月ちゃん超遅かった〜!!」
おそらく加害者の二人(ジロくんは跡部に聞いて癇癪を起こした)と
「跡部も芥川もやるねー。」
「ウス」
黒魔法と白魔法を使い逃げ延びたであろう二人と
「「「「・・・・・・・・。」」」」
静かに横たわり、三途の川を見ているであろう4人(がっくんと侑士と亮とチョタ)がいた。
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