06話目 4/5
「睦月サン、お待たせ。」
「んー、待ってないよー。」
リョーマが来たのは私が校門についてすぐだった。
走ってきたみたいで肩で息をしているのがわかる。
「そんなに急がなくてもよかったんじゃないの?」
「だって、女の子一人にさせちゃ危ないって・・・。」
「いや、私みたいなの誰も誘拐しないし。軟派もされたことないよ。」
七星ちゃんならともかく私は身長もそんなにないし顔もあれだし・・・。
「それは世の中の男子が間違ってるか、きれいすぎて声かけづらいだけ。
一回自分の顔鏡で見てみるといいよ。」
どっかの眼鏡も言ってたよそれ。
リョーマは私の顔をじっと見始めた。
「なあに?私の顔何かついてる?」
するとリョーマは首を振って
「いや、睦月サン眼鏡なんかかけてたっけ?目悪くなかったよね?」
といった。
ああ、眼鏡をかけ始めたのは中2くらいからだからリョーマは知らないんだっけ。
「んー?ああ、これね。伊達だよ。なんか七星ちゃん・・・ああっと、氷帝の友達と
跡部・・・私がマネージャーやってるテニス部部長がつけとけって。なんか私が世の中の男子を・・・。」
「跡部?跡部って・・・。」
「うん?どうしたの?」
跡部の名前を聞いた途端リョーマの顔がみるみる険しくなった。
ちょ、あんたは般若ですか!?
もともとはかわいい顔なんだからそんな顔しちゃダメだよリョーマ!!
「むかつく。超むかつくから睦月サン、今日俺んち泊まってってよね。」
なんか等式が成り立ってないよね。
むかつく=泊まるはおかしいよね。
「え、南次郎さんに迷惑じゃないの?」
「大丈夫だよ親父は女の子すきすきマシーンに生まれ変わったから。」
うん、生まれ変わってないね。私が知ってる南次郎さんだ。
「ともかく泊まっていきな・・・」
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