happy sweet home | ナノ


05話目
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歩いて30分後


「ここが四天宝寺中テニス部や。」

中ではどうやらテニスをしている音が。


「ありがとー。」

謙也くんはおん、と笑った。


あ、ちょっと侑士に似てるかも。

どうやって30分の道のりを8分で来たのか謎だけど。


「で、なんで来たん?東京からわざわざ。」


「えっとねー。」

私は四天宝寺中用の封筒を取り出した。


「しらいしくらのすけさんに用があるの。」


「ああ、白石か。まあ、こんなとこもなんやから・・・入るか?」


そういって謙也くんは重い門を開けた。






「おう、謙也。忍足くんからの用事終わったん?」


「ああ、白石。ちょうど用事の途中や。はい、このお嬢ちゃんが白石に用事やて。」


お嬢ちゃんと呼ばれる年齢じゃない私は謙也くんに背中を押された。

「こんにち・・・・」

なっ、こ、この人・・・。


なんで大怪我してんのにテニスしてるの!?



そう、彼。

白石と呼ばれた人物は多分利き手の左手、肘までを包帯でぐるぐる巻きにしていた。



「ああ、こんにちは。えらいかわいらしい子やな。謙也、この子がどうしたん?」


「なんや、用事があって東京から来たらしいで。」

「だから氷帝の制服なん?へー、そうなんや。」


「えっと、跡部からこれ、白石さんにってもらってきました。どうぞ。」

と、もらってきた封筒を渡す。

「ああ、おおきに。確かに受け取ったで。」


よし、さっさと帰ろう!

と振り返った先に


「どげんしたと白石?」


背がかなり高い人が。


「・・・・There is such a junior high school student large!?
It is the sad robot which progress of science brought about by no means!? 」
(なんでこんなに大きい中学生がいるの!?ハッ、もしかして科学の進歩が生み出した悲しい人造人間なの!?)


「いや、歌原さん?千歳は人造人間とちゃうで?侑士に帰国子女とは聞いてたんやけど、すごい発音やな。」

すかさず謙也くんが訳してくれた。

いけないいけない。

我を忘れてしまったみたいだ。



「あ、ごめんなさい。急に大声だして。」


「いや、よかよ。でも呪文唱えだしたとにはちょっとびっくりしたったい。」

そういってにっこり笑った顔をどこかで見たことがあると思った・・・あっ!


「ト●ロ!」

「「はぁ?」」


私が思い出したのは某有名映画の優しい優しい怪物ト●ロ。


「え?ト●ロ?どこにおると!?」

あなたよあなた!!

「ト●ロみたい・・・。」


「あ、そういうこつね。確かに時々言われっとよ。」


ほえー、写メ取りたい。

なんて見とれていると

「そういえば歌原さん、新幹線で来たんとちゃうん?もうすぐ行かんと・・・。」


「あーっ!!もうこんな時間!!」


時計を見ると到着まであと10分ほど。

これを逃したら帰るのがかなり遅くなる!!!

「謙也!!連れてけ!!」

「おうっ!!」


そういうと謙也くんは私を抱えてというか

「え、お。お姫様抱っこ!?」

「舌噛むで!しゃべんな!」

了解!!

というか

速い速い!!

なんで8分で来たのかわかったよ!!


そういえば、跡部からもらった封筒の中身なんだったんだろ?
 
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