04話目 2/2
「睦月。」
「何?跡部。」
さっきから黙って何かの資料を見ていた跡部が私に話しかける。
「お前に俺様じきじきのspecialmissionをくれやる」
英語の部分の発音がいいな。無駄に。
specialmission=特別な指令
「何よ。」
「お前に立海大と青学、そして四天宝寺に行ってもらう。」
「え、四天宝寺って大阪でしょ!?」
「お前九州新幹線知らねえのか。」
知ってますよ有名ですもん。
「でも跡部新幹線って料金高いのよ!私この前大阪に旅行に行ったけど14000円かかったのよ!行きと帰り合わせて28000円よ!?そんなお金どこから・・・」
言いかけてハッとした。
「アーン?安いじゃねえか。そんなん俺様が払ってやるよ。」
そうだったこいつは金持ちボンボンだった。
「でも、時間はどうすんのよ!放課後行くとしても2時間半かかるのよ!!」
というかそもそもこのお坊ちゃまは新幹線を知っているのだろうか。
「そうなのか?」
てっきり30分ほどしかかからないと思ってたぜ。
そんなことをぬかす跡部にバカかこいつ、という感情を持ってしまった。
いかんいかん、成績首位の首領(ドン)跡部になんということをwと思い直した。(wついてる時点で反省してないよねBy管理人)
「じゃあ、今から行け。」
そういって先程見ていた資料らしきものを持っていた封筒に入れ、ボールペンで
「青春学園:手塚国光様」
「立海大付属中学校:幸村精市様(真田弦一郎様)」
「四天宝寺中学校:白石蔵ノ介様」
と書いた。
「この封筒に書いてある奴を探して手渡ししろ。いいな、自分の手でこいつに渡せよ。」
そしてワザワザ読み仮名までふってくださいました。
良かった。真ん中の学校の人よくわからなかったんだよね。
実をいうと中1の時日本に初めて帰ってきた(矛盾してる・・・・。)私にはまだ読めない漢字がある。
「ほら、行ってこい。学校に持ってきた荷物は俺たちがお前の部屋の前に置いておく。それから寮長には伝えておくからな。」
そういって渡してきた封筒が本当にspecialmissionのような気がして、
私はあわてて屋上を飛び出し、そのまま靴に履き替え校門に向かった。
← →