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TSWCTWTD
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お風呂に浮かべるぷかぷかあひる。

それに、私は名前をつけている。

ユーシ、と。


「あ〜あ・・・なんで私は3次元に生まれたんだろう・・・。会いたいなあ
・・・。」

アヒルの名前にまで付けるくらい思ってるのに。

次元の壁は、厚くて、重い。

彼に恋しちゃいけなかったんだ。


せめて、アヒルくらいになら、いいよね。

「好きだよー・・・侑士くん。」

そうつぶやいて、彼の名前が付いたアヒルにキスしたとき。


視界がぼやけた。

「ぇ・・・。」




バシャン!
「なんや、音がしたけど・・・誰かおるん、か・・・。」

「!?」

ここはどこ。彼は誰。いや、見たことあるけど彼は誰。

というか私は今裸だよね。

「あの・・・・どなたですか。」

「・・・と、とりあえず。出て行ってもらえます?」

バダン、ガチャ!!

「あ、す、すんません・・・・ってなんで俺謝っとんねん・・・。自分誰や。」

「あ、や。私もよくわからないんですけど。なんか次元こえたみたいです。」

「何言っとんねん、次元こえるって。んなわけ・・・。」

私の浸かっているお風呂には、ユーシと書かれたアヒルがぷかぷかと浮かんでいた。

そして、その傍らには。

私の最低限の荷物がいくつか、一緒に浮いていた。
携帯・・・防水機能ついてないんですけど。

The sweetheart who came together with the duck
(あひると一緒に来た恋人)
略してTSWCTWTD・・・やんな?


お風呂場で溺れたら、いつの間にか恋にも溺れてた
 
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