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久しぶりに学級委員長委員会で真面目な話し合いをした。

議題は『夏休み中の運動用具貸し出しについて』。
これからの夏休みの期間中、普通の生徒にもグラウンドの使用や用具の貸し出しを認めるということに決まったのだが…肝心の運動用具の数が多すぎて、とても用具委員だけじゃ運び出せないということで、学級委員長委員会に応援要請がきた。

っていうか…そっか、もうすぐ夏休みなんだもんなぁ。


「じゃあ誰が用具委員の手伝いに行きますか?」

「用具委員っていったら食満先輩のところだろ」

「俺はちょっとな…炎天下で作業するのも疲れるし」

「じゃあ、やっぱりくじ引きにしますか?」

「…あの、私行ってもいいですよ」

「「「「!?!?」」」」

「そ、そんなに驚かなくてもいいじゃないですかっ」


部活にも入っていない暇な私が仕事を引き受けようとすれば、四人はぎょっとした顔で私を見る。そんなに意外かな…やっぱり私じゃ駄目なのかな…。

ちょっとへこんでいた私を彦四郎君が必死にフォローしてくれる。
フォローというより、説得って感じだけど。


「夕璃先輩…荷物って、相当重いんですよ?」

「まぁ、そうでしょうね」

「量もたくさんあるから、僕たちに応援要請がきてるんですよ!?」

「そうですね。でも、私頑張りますし…あの、私が行ってもお役には立てないでしょうか?」

「そ、そういうことじゃないですっ。でも、あの、鉢屋先輩たちが…」

「??」


彦四郎くんがどうしてそんなに必死に説得するのかが分からなくて、やっぱり私じゃ力不足なのかな…とか考えながら何やら騒がしい他の三人の方を見てみると…


「夕璃一人じゃやっぱり心配だ!私も行く」

「いやいや、三郎は雷蔵の手伝いで図書室に行くって言ってたよな?ここは俺が行くよ」

「勘右衛門っ余計なことだけ覚えてやがって…」

「先輩方は休んでいて結構です。夕璃先輩と一緒に行くのは僕ですから」

「ようしやっぱりくじ引きだ!!恨みっこなしだぞ」

「…えっと」


…とりあえず、私は用具委員会のお手伝いに行っていいんだろうか?いいんだよね?



後編へ続く

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