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いよいよテストは明後日から。
テスト勉強も最後の大詰めといった感じで、クラスの雰囲気もぴりぴりしている(いつも自慢話をしている平君も大人しく勉強しているし)。
必然的に放課後残って勉強する人が増えてきて、編入生の私はなんだか居づらい雰囲気。
仕方がないので、今日は大人しく自分の部屋でゆっくり勉強しようと思ったのが二時間前のことだ。

…あぁ、こんなことになるなら図書室で勉強すればよかったんですっ。



***



「(…隣の部屋が騒がしい)」


今日は落ち着いて勉強しようと思い、家に帰ってみれば何やら従兄が季節外れの大掃除をしている最中だった。
何でも鉢屋先輩たちが勉強しに家に来るということらしく、いつも散らかりっぱなしのリビング(主に兄さんのせい)や自分の部屋を大慌てで片付けていた。

何十分か前に先輩たちがやってきたようだが、私とは顔を合わせずに兄さんの部屋へ入っていった。
最初は静かなものだったが、今はこの状態。これじゃあ私が集中できない。


「…兄さん?入りますよ。一体何して……」


ちゃんとカーテンが開かれていて明るい部屋に入り、兄さんたちの手元をみた瞬間、私は思わず固まった。
目に入ってきたのは色鮮やかな携帯ゲーム機のボディ…耳に入るのはぴこぴこという電子音…。


「な、何してるんですか先輩たちっ!?」

「ん?マリ○カート」

「ちなみに今は俺が一位!見よ、俺のハンドルさばき!!」

「勘右衛門、荒ぶってるなぁ」

「兵助は安全運転だよね」

「勉強しに来たんじゃないんですか!?明後日からですよ、テストっ」

「息抜きだよ息抜き。ほら、勉強ばかりじゃ疲れるだろ?」

「盛大に抜きすぎですよっ」


そう怒鳴る私の声もゲーム音にかき消されそうだ。
みんな最大音量…だと!?あ、勘先輩のLLだ…じゃなくて!!


「仕方ない。じゃあ夕璃も交えてどう○つの森するか…」

「そうだね!みんなで南の島行こう!!」

「え?あれって通信四人までじゃなかったっけ?」

「じゃあ…八左ヱ門と三郎、抜けてね」

「「何でそうなる!?」」

「(え…何で私参加決定みたいになってるの…??)」


どうしよう…いつも思っていたんだけど兄さんの同級生たちもキャラクター強すぎるよ。ついていけない…。
た、確かに私もどう○つの森持ってるけど、特産品はオレンジで他のフルーツ欲しいなぁとか思ってるけど!けど、今やらなくてもいいでしょうに!!

私が呆れて部屋に戻ろうとすると、鉢屋先輩が引き留めるように、それなら…と提案してきた。


「仕方ない、ぷよ○よやろう。それなら大勢でできるし」

「あれって結構頭使うからね」

「…もっと有意義な方向に使ってくださいよ、頭は」

「兵助強そうだな、ぷよ○よ」

「…まぁ、一応自力で六連鎖くらいまでは」

「マジで!?」

「で、どうなの夕璃??やるの?やらないの?」


いつのまにか全員でぷよ○よをやる流れになっていた。た、確かに頭は使うけど…でも勉強とは関係ないよね…。
先輩たちが静かに私に決断を迫ってくる。特に勘先輩、やっぱり目が笑ってないです。


「…ち、ちょっとだけですからねっ」


やっぱりゲームの誘惑にはかなわなかった。恐るべし、電子機器。
…あぁ、そうか。こうやってこの学園のみんなに巻き込まれていくんですね。



テスト勉強、問題発生しました。
(何をやっても、勘先輩の圧勝でした)


おまけ、DSカラー妄想
兵助:白
勘右衛門:赤(LL)
雷蔵:白
三郎:黒
八左:青
夕璃:白

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