祝福のキス
「大学、推薦決まったぞ。おめでとう」
『えっ!あ、ありがとうございます!!』

うわーっと先生と喜びを分かち合った後、私はある場所へ向かう。
体育館だ。私のかっこいい彼氏に報告しなければ。
今はもう自主練の時間だろう。行っても大丈夫なはずだ。
体育館に着き、名前を呼ぶ。

『キヨー、キヨー』

そう呼ぶと手をとめ振り向いた。ちょいちょいっと手招きする。

「どうした?」

と尋ねられる。

『あのね、大学の推薦貰えたからうれしくて、つい・・・』

WC前なのに練習遮ってごめん、と付け足す。

「いや、いーよ。大切なことだもんな。本当よかったな」
『本当キヨのおかげだよ、ありがと』
「そんなことはねーけど」

いや、本当だ。まだ部活を続けていて、そこから大学を目指している彼氏がいるのに推薦を取っていいのかと悩んでいた時、キヨが「全然いーから」と言ってくれたからできたことだと思ってる。
そう思っていると、

「これ、ご褒美」

そう言って、切りそろえられた前髪を持ち上げて額にキスをした。
・・・その瞬間、

「あー!宮地サンおでこにちゅーしてるー!真ちゃーん!」

雰囲気ぶち壊しだ。

「うるせぇ!空気読め高尾!祝福してんだよ、こっちは!轢くぞ!」

『え?キヨ、意味知ってておでこにキスしたの?』
「いや、さすがに口はどーかなよ思ってでこにしたんだけど」
『なーんだ。おでこにキスするのは祝福って意味なんだよ。だから知っていたのかと思って』
「へー、知らんかったわ」

そう言って彼はもう一度前髪を持ち上げキスをした。


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