「侑士のバカ! もうしらねぇ、侑士なんか嫌いだ!」
些細なことだったけど、喧嘩になった。
侑士なら絶対わかってくれるって思ったのに、どんなに言ってもそうやなって言ってはくれなかった。
俺はなぜかそれが悔しくて、絶対にわからせてやるって思ったらもう引き返せなくなっていた。
それであんな捨て台詞まで吐いて、でもなぜか俺はその場から離れられなくて、俯いたまま唇を噛み締めた。
しばらくして、上からため息が聞こえた。
もう呆れられたのかな、俺達これで終わりかも、なんて考えていたら、頭をぽんぽんって叩かれた。
「岳人はほんましゃーないなぁ……」
「な……んだよ!」
「今晩の夕飯は唐揚げなんやけど、岳人も食ってくやろ?」
そう言われて顔をあげたら、侑士はすげぇ優しい顔をしていた。
子供扱いされてるみたいですごく悔しいけど、その笑顔が俺の大好きな顔だったから。
「しょうがないから食ってってやる!」
「おおきに」
相変わらず素直になれなくて、侑士に迷惑ばっかかけてる気もするけど、侑士がそれでもいいって言ってくれる。
だけどまあ、たまには素直になってやってもいいけどな!
「侑士、……ごめん、ありがと」
でもやっぱり素直になりきれなくて、侑士に聞こえないくらい小さな声で呟いた。
111222
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たまにはこんな岳人も可愛いよね
忍足家の唐揚げは自家製だといい