「なあ岳人、今日が何の日か知っとるか?」
「え?」
部活が終わり、部室で帰り支度をしていた岳人に、侑士が突然こう聞いた。
「今日って……11月22日だろ? なんかあったっけ……」
「あー、岳人が知っとるはずなかったな、すまんすまん」
「む……確かにそういうの詳しくねーけどさ、もしかしたら知ってるかもしれねーじゃん!」
「せやな、すまん」
侑士が全部本心で本音で真剣なのは知ってる。でも、だからこそ、その小さい子に対する態度みたいなのがムカついて、侑士に、置いていかれそうな気がして。
「ちょっとまってろよ、11月22日だろ……?」
頭を抱えて悩みはじめる岳人に、侑士は苦笑しつつ頭を撫でた。
「ただの語呂合わせやから、そない難しく考えんでもええよ?」
「語呂合わせ? えっと……いい、に……違うな、いい……ふ、ふ? あ、いいふーふだ! そーだろ!」
意外と早く答えにたどり着いた岳人に、よく出来ましたの意味でもう一度頭を撫でた。
「で? いい夫婦の日がなんだよ?」
「や、俺らもいい夫婦やなって思てな」
「はぁ!? 何言ってんだよ侑士! ……だいたい、俺なんて……」
そのあとを言い淀んだ岳人に、言いたいことがわかった侑士は苦笑し、額にキスを一つ落とした。
「岳人、夫婦いうんはな、お互いが足りない部分を支え合ってるんやで? せやから、岳人がそないに落ち込む必要あらへん。得意分野くらい分かれててええやん、な?」
「侑士……うん、そうだよな!」
岳人は侑士の言葉に笑顔を取り戻し、それをきっかけに二人は甘い空気を振り撒きはじめた。
それを見ていた他のメンバーはと言うと、
「まったく……忍足ってば、やるねー」
「てめぇら、部室でいちゃついてんじゃねぇ……!」
「いつも通りだC〜、諦めた方がいいんじゃない?」
感心するもの、諦めるもの…様々な反応を見せる中、取り分け跡部は大層ご立腹だったとさ。
111125
遅刻なんてもんじゃないけどいい夫婦ネタです
お互い支え合ってる忍岳が好きです
バカップルな忍岳も好きです←