ある日の話。 | ナノ


ある日の話。



部活中の彼は、かっこいいと思う。
もちろん、生徒会長として壇上に上がっているときもかっこいいと思うし、ただ授業を受けている姿だってすごく様になっていてかっこいい。
でも、部活中の、部長としての彼は群を抜いて断トツでかっこいいと思う。
どこがどう違うのかって聞かれると、うまく答えられないんだけどね。
それを乾に言ったら「ふむ……興味深い」ってデータを取られちゃったし、英二に言ったら「全っ然わかんにゃい!」って逃げられちゃったんだよね。

「ねぇ、手塚はどう思う?」

今までの過程を踏まえて、僕は本人に聞いてみることにした。

「どう、と言われても……何か特別に変えていることがあるわけじゃないからな」
「うーん、そうだよね……」
「ただ、不二にそう言ってもらえるのは嬉しい、ありがとう」

う……恥ずかしい。
でも、こうやってストレートに言ってくれるのが手塚だもんね。
なら、僕もたまには素直にならなきゃね?

「でもね、手塚。やっぱりどんな時でも手塚はかっこいいよ。試合中はやっぱりかっこいいけど……どんな手塚も大好き」

やっぱりちょっと恥ずかしくて、顔をすぐに逸らしてしまった。
そしたらいきなり前が暗くなって、気付いたら手塚に抱きしめられていた。

「て、手塚っ……」
「すまない、不二。先程の言葉を聞いたら、どうしてもこうしたくなった。……好きだ、不二」
「手塚……ありがとう」

やっぱり手塚のストレートさには敵わないけど、こうして抱きしめてもらって僕も嬉しいから今日はこれで良しとしようかな?





111029
なんだこれわけわからん…!
とにかくいちゃこらさせたかったんだ、きっと
でもこのわからなさが塚不二だと主張する!←