決意の日 | ナノ


決意の日



「お前、ホンマに青学レギュラーやったんやなぁ」
「こっちはアクロバティックで有名な菊丸だぜ? おい菊丸、上には上がいることを教えてやるよ!」

なんて、余裕ぶって挑発して。

「はっ……はあっ……」
「ゲームセット! ウォンバイ、青学! 菊丸・桃城ペア!」

確かに、侑士の天才の名は伊達ではないし岳人のアクロバティックは菊丸の上をいく。
だが、それはあくまでも個々の能力を取った場合なのだ。
実力があっても、そこに油断が加われば、それはいとも簡単に崩壊する。

「ゆう……し……」
「すまん、岳人。俺がお前に無理させたんや」
「ちがっ……俺が無鉄砲に突っ込んだから……だから侑士、本気でも調子合わなかったんだ」

今までの相手は、油断しても余裕で勝てる相手だった。
だが、青学はそうではなかった。
所詮急造コンビだからと、侮れるものではなかった。

「……なあ侑士、」
「なん?」
「夏、……終わっちまったな」
「……ああ、せやな」

二人の間に、長い沈黙。
その長い沈黙を破ったのは、岳人だった。

「高校、行ったらさ。今度こそ、全国制覇しような!」
「せやな……、俺らのダブルスなら絶対に全国制覇出来るで!」

まだ、泣きたいけど叫びたくて、清々しいけど悔しいような、なんて言い表したらいいのかわからないような気持ちではあったが、この決意だけは絶対に揺るがない気がした。

「さて、高校で全国制覇するならまずレギュラーにならなあかんで」
「だな! 明日からまたいっぱい練習しなきゃなー」
「せやな。……がんばろな」
「おうっ!」

その数日後、彼らは全国大会への切符を手にすることになる。





110928
ミュに影響されて試合関係が書きたかったんですが…うーん、暗い!←
でも、二人の思いみたいなのが伝わってたらいいな!
なんで全国はダブルスじゃなかったんだ…!