千歳、千里。
私は数日前からこの男に悩まされている。
「あ…、今日もいない」
そう、この男には放浪癖があるのです。
「ん?千歳はまたおらへんのか。みょうじ、頼むわ」
「…はーい」
席が隣だというだけで、私は千歳くん連れ戻し係に任命された。
数日前というのは、この間横浜から引っ越してきたばかりだから。
まあ、先生に指名されたから不本意ではあるけど探しに行くことにする。
心当たりが絞れるのがにくい!
そんなわけで、まずは保健室に向かう。念のため。
「失礼しまーす…千歳くんいますか?」
「あら、千歳くんなら今日はきてへんよ?」
「そうですか、ありがとうございます」
今日は天気が良いため、保健室は可能性が薄かった。
近くにいればそれにこしたことはないため、なるべく近くから探すことにしているのだ。
次は裏庭を捜索してみよう!
「千歳くーん、いますかー」
声をかけながら隅々まで探してみるも、千歳千里見付からず。
なら、面倒だけど裏山に行くしかないのだと思う。1番可能性も高い。
「はぁ…なんで、授業中に山登り…あ、」
いた。千歳くんだ。
傍まで行ってみると、どうやら千歳くんは寝ているようだ。
私は千歳くんを起こそうと試みる。
「千歳くん、起きて?授業行こうよ、…きゃっ!?」
「ん…みょうじさん、来てくれたとや…?」
「ち、千歳く、手、離し…」
いきなり千歳くんに手を引っ張られたため、私は今千歳くんの上に乗ってしまっている。
「離したく、なかねぇ…」
「や、でも、ほら、…重いでしょ?」
「重くなんかなか。今日の天気ばよかけん、みょうじさんもねっころがってみっとよかよ」
「だ…だめだよ、私千歳くんを迎えに来たんだもん!…きゃっ」
立ち上がろうとすれば、私はまた千歳くんに手を引っ張られて完全に横になってしまった。
「も、千歳くん、だめだってば…って、寝ちゃってる…?」
隣を見れば聞こえてきたのは小さな寝息で。
「もう、しょうがないな…今回だけだからね」
授業は諦めて、私も寝ることにした。
だって、千歳くんの傍は心地好かったから。
本当に今日はいい天気だな、なんて考えながら私は眠りに落ちた。
私は数日前からこの男に悩まされている。
「あ…、今日もいない」
そう、この男には放浪癖があるのです。
「ん?千歳はまたおらへんのか。みょうじ、頼むわ」
「…はーい」
席が隣だというだけで、私は千歳くん連れ戻し係に任命された。
数日前というのは、この間横浜から引っ越してきたばかりだから。
まあ、先生に指名されたから不本意ではあるけど探しに行くことにする。
心当たりが絞れるのがにくい!
そんなわけで、まずは保健室に向かう。念のため。
「失礼しまーす…千歳くんいますか?」
「あら、千歳くんなら今日はきてへんよ?」
「そうですか、ありがとうございます」
今日は天気が良いため、保健室は可能性が薄かった。
近くにいればそれにこしたことはないため、なるべく近くから探すことにしているのだ。
次は裏庭を捜索してみよう!
「千歳くーん、いますかー」
声をかけながら隅々まで探してみるも、千歳千里見付からず。
なら、面倒だけど裏山に行くしかないのだと思う。1番可能性も高い。
「はぁ…なんで、授業中に山登り…あ、」
いた。千歳くんだ。
傍まで行ってみると、どうやら千歳くんは寝ているようだ。
私は千歳くんを起こそうと試みる。
「千歳くん、起きて?授業行こうよ、…きゃっ!?」
「ん…みょうじさん、来てくれたとや…?」
「ち、千歳く、手、離し…」
いきなり千歳くんに手を引っ張られたため、私は今千歳くんの上に乗ってしまっている。
「離したく、なかねぇ…」
「や、でも、ほら、…重いでしょ?」
「重くなんかなか。今日の天気ばよかけん、みょうじさんもねっころがってみっとよかよ」
「だ…だめだよ、私千歳くんを迎えに来たんだもん!…きゃっ」
立ち上がろうとすれば、私はまた千歳くんに手を引っ張られて完全に横になってしまった。
「も、千歳くん、だめだってば…って、寝ちゃってる…?」
隣を見れば聞こえてきたのは小さな寝息で。
「もう、しょうがないな…今回だけだからね」
授業は諦めて、私も寝ることにした。
だって、千歳くんの傍は心地好かったから。
本当に今日はいい天気だな、なんて考えながら私は眠りに落ちた。