ゆめ | ナノ
きみのとなり。
ある晴れた秋の日の、昼下がり。
私が家でのんびりしていると、唐突に奴が来た。
まったく、なんのための携帯だ!

「なまえー、開けてくれんねー。外の寒かー…」

以前、千歳は私が帰ってくるまでドアの前に座っていたことがあり、それを見た大家さんに借金取りか何かと勘違いされてしまったので、さっさとドアを開けに行くことにする。

「千歳いらっしゃい!どうしたの?突然」
「今日の天気ば良かけんね、なまえに会いたいち思っとよ」
「…っ、はいはい」

この男は天然タラシだ。
だからこんな台詞だって普通にサラっと言ってしまう。
いい加減慣れなきゃと思いつつも未だに慣れないのはしょうがないんだと思う。

「とりあえず、上がって?今お茶用意してくるね」
「用意せんでよかよ、なまえと散歩ば行こち思って迎えに来たったい」
「散歩かぁ…、うん、行きたい!じゃあちょっと支度して来るから待っててね」

必要な物を鞄に詰めてコートを探しながら、今日はどこまで行くのかとか、お昼ご飯は食べたのかなとか、いろんなことを考える。
千歳の事を考えてるだけで楽しくて、そんな小さな事でも"好き"を実感した。

「そういえばちー、携帯はどうしたの?」
「携帯?朝見たら充電の切れてたけん、置いてきたばい」
「もう…心配するから次からちゃんと充電しといてね?」
「んー、なったけそうすっばい」

千歳に必ずがないことはわかってるため、これ以上は言わない。
この緩さが千歳だなぁなんて思いつつ、支度も終わったため玄関に向かう。

「お待たせ!」
「さ、トトロば探しに行かんね!」
「え、トトロ?」
「今日こそ見つかりそうな気がすったい」
「ちーが言うなら見つかりそうだね!」

さあ、ドアを開けたら今日は何が待っているのだろう?


……あとがき………
初千歳夢です
千歳とは、とにかくほのぼのしたいなと思いましてつい書いてしまいました!
ほの甘を目安に書いていきたいです

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -