雫

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ぽたり　ぽたり
滴り落ちる 雫

温かいような冷たいような
曖昧な 温度


瞼が重く
開けようと試みるがピクリとも動かない

色さえわからない
温度のみが頼りの雫

これは一体なんだろう


雨　涙　血

３つのうちのどれかひとつなのはわかる


周りで風や物音が聞こえない
雨はきっとちがうだろう


グスッ
近くで人の気配を感じる
右手が持ち上げられ
温かいものに触れる

少し湿っているようだ


きっと手に触れているのは誰かの頬

「泣かないで」

長い間声を出していなかったため
掠れて消え入りそうな声しか出なかった


けれどお願いだから泣かないで…

先程はピクリとも動かなかった瞼が簡単に開いた

眩しくて
ぼんやりとしかわからない視界

最初に目にしたのは
泣き腫らした目でもって笑う君だった



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