12時まで |
かぼちゃ1つに、ネズミ4匹、そしてトカゲ4匹。
魔法使いさんのもとへ持っていくと、満足げに笑っていた。
「見てろよぃ」
呪文を唱えると、かぼちゃは馬車に、ネズミは馬に、そして、トカゲはお供に変身した。
魔法使いさんにこっちを向くように言われると、次は私にむかって呪文を唱えた。
眩しい光から目を開けると、すごく綺麗なドレスを着ていた。
「いいんですか…?」
「当たり前だろ!それと、これな」
「わぁ…」
綺麗なガラスの靴も差し出された。履いてみるとすごくピッタリだった。
「これなら間に合うだろぃ。夢、叶えてこいよ!」
「はい…!行ってきます!」
「あ…ひとつだけ約束。12時までには戻ってこい。じゃないと魔法がとけるからな!」
「わかりました!」
12時まで。しっかりと記憶してから馬車に乗り込んだ。
大きなお城にいる王子様。
今から会いに行けるなんて、本当に夢みたいだった。