お城の王子様 |
あれから芥川さんと毎日会うようになった。おかげで毎日がすごく楽しい。
今まで楽しくなかった家事も、芥川さんに会えると分かると楽しかった。芥川さんって私にパワーを与えてくれるすごい人だ。
ご飯を食べ終えて、みんなのお皿を洗っていると、お姉様達の会話が耳に入った。
「1ヵ月後に、お城で舞踏会を開くんですって!」
「まぁ!それじゃあ、王子様とお会いできるチャンスじゃない!」
「お母様。素敵なドレス、用意してくださりますか?」
「もちろんよ。なんせ私の娘達なのですから。シンデレラはお留守番頼むわよ」
「…わかりました」
舞踏会か…。
私も行きたいなぁ。
こっそりドレス用意して行こうかな。どうせ、行く頃には色々終えてると思うし。
そんなことを考えながら、私は芥川さんに会いに行く準備をした。
――――――
「こんにちは、芥川さん」
「こんにちはー!」
今日も笑顔で出迎えてくれた芥川さん。
さっきの舞踏会の話を聞いてもらいたくて話始めた。
「へ〜…。やっぱり女のコってそういうの大好きなんだ」
「はい!ずっと憧れていたんです。お城の王子様と踊るの」
「そのときは、めいっぱいオシャレするの?」
「はい。可愛いドレスを着て、髪の毛もアレンジしたりして…ものすごく行きたいです!」
「ふーん」っと相づちしながら芥川さんは言った。
あ、男の人ってこういうの興味ないよね。私ばかり話しててなんか申し訳ない感じがする。
ちらっと芥川さんの様子を見ると、何故かニコニコしていた。
「………みだなー」
「え?」
「ううん。こっちの話!」
「あ、はい」
芥川さんは何を言いたかったんだろうか。