ほっとする位置関係
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「あ、そういえば…お母さんがお弁当持たしてくれたんだけど、目的地に食べられる場所あるかな?」

「うん、大丈夫。もうそろそろ着くよ」

「なのお母様のお弁当も楽しみだし、本好が連れてってくれる場所も楽しみすぎてウズウズしてんだけど!」



そんな話をしているうちに、本好くんの目指していた目的地に着いた。そこは、新しくできたレジャーランドだった。映画館、遊園地、水族館、動物園、全てがある今注目の場所。



「うおおおおお!!本好いいところを選んだな!」

「安田のためじゃない。なのためなんだから」

「あ、ありがと…」



照れて顔をそらしていると頭を撫でられた。



「本好くん!?」

「な可愛い」

「そんなことないよ!」



最近本好くんは私を褒めすぎだ。その度心臓が持たない。はっきりそう言ってもらえるのは初めてだから。

近くにいた安田が遊びたそうにうずうずしていた。



「早くどれか乗ろうぜ!俺もう遊びたくてたまんねぇ!…お姉さんのパンチラ見れる可能性大」

「安田最低っ!!」



ばちんっと安田の頬をぶってから、本好くんと一緒に乗りたいアトラクションを選んでいった。



――――――



時間が過ぎるのは早くて。気がついたらお昼の時間になっていた。
お弁当を食べるために野原にレジャーシートを敷いて座った。ぱかっとお弁当を開けると、そこには大好物ばかりで埋まっていた。



「なのお母様の卵焼き大好き」

「お弁当とき、いつも食べてたもんね!」

「俺は唐揚げだな!」

「安田もいつも唐揚げばっかり持っていくんだから」



そんな話をしていると、なんだか可笑しくなってきちゃって笑ってしまった。



「な!?どうして笑うんだよ!」

「いや、ふふふっ!」

「安田が変な顔してたんだよ、きっと。というか邪魔」

「うん、そう!安田が変なの…ふふ!!」

「んだよ!2人して俺を馬鹿にして!!」



そうしているうちに皆で笑い出した。笑いすぎて目に涙が溜まってしまっていた。そのままお弁当を食べ続けていった。

いつの間にかお弁当は空っぽで。ごちそうさまでした、と言って片付けた。



「あの、私…2人に言いたいことがあるの」

「ん?別にいいけどよ」

「改めてどうしたの?」



私は2人の顔をしっかり見て、話始めた。



「2人が好きって言ってくれたのはとても嬉しかった。でもね、お弁当を食べていて分かったの。3人で冗談言って、笑いあって、馬鹿みたいに騒いで。このままの関係がやっぱり好き。安心するの」



言い終わった後、右手は安田の手、左手は本好くんの手と繋がっていた。そして、そのまま引っ張られて立ち上がった。



「ながこのままがいいって言うんだったら、俺はこのままでいるよ」

「俺も!なには無理させたくないからな!!」



2人の言葉に嬉しくなって、さっきとは違う涙が出てきた。



「安田、本好くん。大好き!!」



私は目一杯の笑顔で言った。



「それ反則…!!」

「安田と同じ意見なんて嫌なんだけど」



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