見てて愛しい
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昨日の約束通り、私は本好くんと帰っていた。安田は美徳先生に呼び出されていて、美っちゃんは部活があるみたい。
久しぶりに二人で帰るから、いつもじゃ思えないぐらい話をしてしまった。そんな私を見て、微笑んでいる本好くんと目があって、何だか恥ずかしくなってきた。



「ご、ごめんね!私ばっかり話してて楽しくないよね!」

「ううん。なの楽しく話してる姿見てるだけで楽しいから」

「本当に…?」

「うん」



不思議な本好くん。私を見て楽しいっていう人なんて、本好くんしかいないと思う。



「な明日暇?暇だよね?」

「うん。暇だけど、どうして?」

「デートしようと思って。今行きたい場所があるんだよね。行こうよ」

「デ、デデデデート!?」

「そんなに慌てないで。デートって思わなくてもいいよ。一緒に遊びに行くみたいなノリでもいいから」



そりゃ、私は恋愛経験なんてこれっぽっちもない私が『デート』って言う言葉で慌てるのは仕方ないよね。
でも、一緒に遊びに行くって感じなら緊張しないからいいかも。本当に暇だから、家にいるより外で遊んでた方がいいよね。
私は本好くんのお誘いに縦に頷いて返事をした。



「じゃあ、明日10時に駅前でいい?」

「うん!」

「楽しみだなぁ。なに俺をもっと知ってもらえるチャンスだよね。頑張ろうかな」

「え、と、うん。頑張って…?」

「何それ」



そう言って本好くんは笑った。そんな本好くんにキュンとなったのは、私だけの秘密。



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