目の前が真っ白になった
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「安田に告白されました」
「で、俺に相談?」
「…うん」
昨日安田に告白されてから、私はかなり安田に近づかないよう意識していた。どうしようもできない私は、只今本好くん家にお邪魔して相談中。
「安田が嫌いならキッパリ断ればいいのに」
「だって、まだ分からないよ。そんな風に安田を見たことなかったから」
「でもなが安田にときめくなんてあり得ないよね、安田だし。美っちゃんなら分かるけど」
美っちゃんは好きだけど、この好きと安田の好きは全然違う。あーもう!考えすぎて頭痛い。落ち着こうと思って、本好くんに出してもらったお茶を一気飲みした。
それを見た本好くんが口を開いた。
「そんなに悩むこと?」
「うん…」
「じゃあなだけ特別に解決方法教えてあげる」
本好くんは手招きしていたから、私は本好くんに近づいた。そして耳元に小声で言った。
「なが俺を好きになれば解決するよ。俺はなが好きだから全然問題ないし」
思わず固まってしまった。安田の次は本好くん?私の周りは一体どうなってるんだ。
余計に頭がごちゃごちゃになって、私は考えるのをやめた。荷物をまとめて、玄関に向かって歩いて、お邪魔しましたと一言いうと、奥から「また遊びに来てね」って声が聞こえた。
どうすればいいの?
いつの間にか、目から涙がぽろっと流れた。