崩れていく音がした
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「あれ?美っちゃんと本好くんは?」
「用があるから先帰ったって。な帰ろうぜ」
「うん!」
そうか。美っちゃんと本好くんは用事なのか。折角お菓子作ってきたから、あげようかと思ったけど仕方がないよね。教室で出したらみのり先生が怒るからね。
「安田と二人きりで帰るなんて久しぶりだなぁ」
「そうだったっけ?」
「うん。にしても安田背伸びたねー。同じぐらいだったのに」
「なが縮んだんだよ」
「違いますー!」
二人でぎゃはは、わははって笑いあっていた。あー笑いすぎてお腹痛い!!
「っていうかさ、昨日のアレは真面目に答えることじゃないよねー」
「アレ?」
「可愛いくなったとか大人っぽいとか!本当に困ったもん」
「あー…嘘じゃないけどな。なは本当に可愛いよ、ホレるくらいな」
安田が言った言葉を理解するのに30秒の間が出来た。え?何言ってるの?また冗談だよね。だってこれって何だか…
「俺、なに告白してるんだけど」
「っ!ほら、また冗談だよね!安田って本当に冗談が好きなんだから!」
「冗談じゃねーよ。本当になが好きなんだ」
「………ごめん」
私はその場を立ち去った。今日が全部無かったことになればいいのに、と願いながら。