最近気付いたんだけど、どうやら先輩とは登下校する道は分かれ道以外同じだったらしい。
一緒に登下校できると考えると嬉しくてたまらなかった。
「先輩、おはようございます!」
「あ、なちゃん!おはよう!」
「今日もいい天気ですね。何だか眠たくなる天気だなー…」
「そうだよねー。この時期って毎日うとうとしちゃって水戸部に起こされるんだよな…」
「水戸部…?」
「知らなかったっけ?オレと同じクラスでバスケ部なんだけど」
「先輩しか眼中に入ってません!」
「急にそんなこと言うな!」
「えへへ」
告白してから日にちは少し経つけど、あれから先輩は同じように接してくれた。私もぎこちなくなったらどうしようとか悩んでたけど、そんな心配はいらなかった。
「お、噂をすればなんとやら!水戸部ー!」
「…」
「あの人が水戸部先輩…」
先輩が手を振って名前を呼んでいると、向こうも気付いたのか手を振っていた。
「紹介するね。水戸部凛之助、無口でいいやつ!」
「よろしくお願いします」
「……」
私がぺこりと頭を下げると、微笑んだ水戸部先輩。そのあとは三人で登校した。