放課後。先輩に会いたくなった私は、桃井ちゃんにバスケ部と言われたのを思い出して、体育館に向かった。
体育館の扉から顔を出せば、バスケ部は練習している真っ最中だった。その中でも一番目に入るのは小金井先輩で。
ぼーっと見ていたら、足もにボールがころころとやって来た。



「すみませーん!……ってなちゃん!」

「こ、小金井先輩!?」

「バスケ部の見学?あ、もしかして好きな人がこの中にいるとか?まさかね!」

「!」



図星です、小金井先輩。
「はいパス!」と言った先輩に転がってきたボールをパスした。そして満面の笑みで練習に戻った。
その笑顔は反則だと思います。



「あれー…見ない顔だけど、ここでどうしたの?」

「バスケ部見てたんですけど迷惑でしたよね。すみません、もう帰りますから」

「迷惑じゃないわ!むしろ可愛いから毎日来てもらっても構わないわよ!あ、名前言ってなかったわね。バスケ部カントクの相田リコよ、よろしくね」

「はい!私はみなです。こちらこそよろしくお願いします」



元気なカントクさんだな。毎日来ていいって言われたし、遠慮なく先輩を見れるってことだよね。



「そういえばなちゃんは、誰が目的で見に来たのかなー?」

「え、」



「ほらほら言いなさいよ」と言うカントクさん。いざ言うとなると恥ずかしくなって、自分でだんだん熱くなっていくのが分かる。



「えと、小金井、先輩です…」

「小金井君かー…呼ぶ?」

「いえ!平気です!さっきお話出来たばかりですから」

「あら、そうなの。じゃあ、私は戻るわね」

「はい!」



私はその帰り道、スキップしながら帰った。
人目なんて気にしない!だって嬉しいんだもの!




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