「なちゃん!ちょうどよかった!お願いなんだけど、体育館倉庫整理してくれないかしら?人手が足りなくて…」
「いいですよ!」
「本当!?ありがとう!」
これが1時間前のお話。それからリコちゃんと体育館倉庫に行って順調に整理していたんだけど。
「閉じ込められるって…」
しかし閉じ込められているのは私だけで、リコちゃんはいない。リコちゃんは「あ、いけない!先生に用事あるんだった!なちゃん、行ってきていいかしら!?」と言って、それはいけない!と思った私はうなずいた。ありがとう、と言ってリコちゃんは行った。
その数分後だ。閉じ込められたのは。ビックリして扉をガンガン叩いたけど、気づいてはくれなかった。
そして現在に至る。
「とりあえず…先に片付けちゃおう…」
――――――
―ゴンゴン!
―ゴンゴンゴンゴン!
ドアを叩くような音がして目を覚ました。ん?目を、覚ました…。私、もしかして寝てた!?
急いで体を起こしてカギがかかっているドアに向かった。
「なちゃん!いる!?」
「こ、小金井先輩!?どうしたんですか!?」
「なちゃんがここに閉じ込められてるってきいて!なちゃんが無事ならよかった…。今鍵取りに行ってくるから待ってて!」
「…はい」
今の顔、先輩に見られてなくてよかった。だって不謹慎だよね。こんな状況なのに、私の頬は緩みっぱなしだ。
数分後。小金井先輩が走ってきた音がしたと思ったら、勢いよくドアが開いた。先輩、鍵開けるの早いなー…とか考えてたら、暖かい何かに包まれた。
?包まれた?……抱きしめられた…?
「よかったー…。なちゃんに何かあったらとかずっと考えてたから。無事でよかった」
「先輩…」
「本、当、に!何もされてないよね!?平気だよね!?」
「先輩心配しすぎですよ!」
私が笑いながら言うと、さっきより強く抱きしめられた。
「心配するに決まってるじゃん!」
「先輩…?」
「だって、なちゃんのことが、なが、好きなんだから」
え、あ、ん?先輩は今何て言ったんだ?好き?誰のことが?
頭の中で整理出来た途端恥ずかしくなった。
「なは、もちろんオレが好きだよね?」
「…はい」
辛いことや楽しいこと、泣きたくなったときもあったけど、先輩を好きでいられて本当によかった。
あなたがすきです!
fin.