小金井先輩に嫌い発言をされてから1ヶ月が経とうとしていた。あれから先輩に会わないようにしている。気まずい、というよりかは会いたくないという気持ちが大きかった。

そういえば桃井ちゃんから、誠凛はI・Hを勝ち進んでいるって聞いた。それを聞いた瞬間、やっぱり頭に浮かんだのは小金井先輩の顔で。まだ好きなんだって自覚した。



「はぁ…」

「最近ため息ばかりだな、お前」

「青峰君には関係ありません。というか、何で私ん家にいるの?」

「今日親居ねぇから」

「桃井ちゃん家は?」

「あぁー…ムリ」



「さつきいちいちうるせぇから」と青峰君が言った。長年の幼なじみにそれは酷いと思ったけど、これが青峰君だから仕方がない。

さっきからずっと見つめている小金井先輩にあげるはずだったリストバンド。そんな私を見ていた青峰君は呆れたため息をつきながら言った。



「そんなにまだアイツのことが好きなら、またならしくアタックすりゃあいいんじゃねーの」

「……急に何よ…」

「さっきから見てりゃ、お前らしくない行動ばかりしやがって。さつきがもしテツに嫌いって言われても変わらねーと思うぞ」

「それは桃井ちゃんだから…!」



「私は違うもん」とボソッと呟いたら、青峰君に髪をぐしゃぐしゃやられた。



「何するの!?」

「なが避けてたら何も変わらねーよ。後悔したくねーならいつもみたいなお前でいろ」

「…」



何よ。青峰君のくせに生意気な。
でも、今の言葉で何だか吹っ切れた気がする。今までの自分でいればいい、当たり前のことに気づかなかった自分が馬鹿馬鹿しくなってきた。
青峰君にありがとうって言えば、青峰君はばーかと言って拳で私の頭をコツンとした。

きちんと小金井先輩と話してけじめをつけよう。





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