ワクワクしながら登校の準備をする。小金井先輩にリストバンドをプレゼントをするだけなのに、何故か私の胸はドキドキしていた。
I・Hが近いから朝練があるらしくて、最近は登校中に会えないから、渡すのは昼休み。
先輩の嬉しそうな顔を見るのが楽しみだ。
――――――
「小金井先輩!」
「…なちゃん?」
先輩のクラスに行って、後ろにラッピングしてもらった小包を隠しながら近づいた。
「あの、先輩」
「なちゃん」
「……はい?」
私が話を切りだそうと口を開いたら、先輩の言葉で遮られた。
何だか真剣な顔でこっちを見る先輩。その顔を見ていたら不安になってきた。何を言われるんだろう。
「もう、オレに関わらないで」
「っ!?」
心臓が急に激しく動いた。…私何か先輩にした?とか頭の中でごちゃごちゃ考えてしまった。
ようやく口を開くことが出来た私は、気になる質問を先輩にした。
「私のこと…どう思ってますか?」
「……好きじゃない、嫌いだよ」
私は目的地も決めないまま廊下を走り出した。
涙を隠すために。