同じクラスにもバスケ部員がいたらしい(黒子君に聞いた)ので、小金井先輩のことを聞き出そうとして声をかけてみることにした。
「火神君、火神君」
「…み、だよな?どうかしたのかよ」
「火神君はバスケ部員らしいから、先輩の情報を沢山知っているのかなって思いまして…」
「どの先輩だよ」
「小金井先輩!」
その名前を言ったら、うーん…と考え始めた火神君。そんなに目立たないの、かな?
「器用貧乏で…シュートがそこそこ入る。あと、ハリセンでオレを起こす係やった」
「……可愛い…」
「は!?」
「ごめんごめん。こっちの話だから気にしないで」
ハリセンで火神君を起こす係なんて想像できるからなんか笑ってしまう。
同じ部員でもそれぐらいしか情報がないから、本当に平々凡々と生きてるんだなぁ。
「本当に小金井先輩が好きなんですね」
「あ、黒子君!おはよう」
「おはようございます。何だか桃井さんに似てきてる気がします」
「本当!?きっとアドバイスしてくれてるのが桃井ちゃんだからかなぁ」
「そうでしたか。上手くいくといいですね」
「うん!ありがとう」
黒子君は協力してくれるみたいだから、お世話になっちゃおうかな。うん、いいよね。
「おい」
「ん?」
「オレは無視かよ」
「あ…」
「てめぇー!!後で覚えてろよ!!!」
「ごめんなさいー!」
今日学んだことは火神君を怒らせたらめんどくさいことでした。