夜。台風が去ったあとだから、星が綺麗に見えると思ったら、見に行きたくなって外に出かけた。この時間に散歩に出るなんて滅多にないから、いつもとは違う道を歩いてみた。
「やっぱり星が綺麗だなぁ」
「………はぁ」
「?」
どこからかため息が聞こえると思ってキョロキョロすると、公園に見たことある女の子がいた。あの子は確か…。
「…春日さん?」
「山崎くん…」
久しぶりに会った春日さん。高校は同じでそれ以来会ってなかった。この出会いは運命なのかと思ってしまった。だってオレの好きな人が目の前にいるんだから。
「こんな夜中に女の子一人で公園にいるなんて危ないよ。帰らないの?」
「…帰る家がなくなっちゃったの」
「え?」
「あのね、台風のせいで家が吹っ飛んだみたいで…。確かに家はおんぼろだったけど、飛ばされるなんて」
「そうなんだ…」
「うん。これからどうしようかなぁって考えてたの」
何でこんなこと言ったのか、オレが逆に驚いた。
「じゃあさ、オレの家に来ない?」
――――――
それは昨日の話。
今春日さんは、オレが寝ていたベッドですやすや寝息をたてて寝ている。オレは敷布団で寝ている。好きな子がオレのベッドに寝てるなんて……生殺しだよねぇぇええええええ!!はぁ、この状態が続くなんて…オレ耐えられるかな…。
明日は春日さんがご飯を作ってくれるから楽しみだなー。そう考えながら、オレは眠りについた。
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