おはようございます、といつも通りに挨拶をしてから仕事が始まる。挨拶をしてすぐに後ろから声がした。
「モコ!おはようアル!」
「神楽ちゃん!今日も元気だね。新八くんは?」
「銀ちゃんと何か話してるアル。きっと私の酢昆布を食べて怒られてるアルよ」
「そ、そうなのかなぁ?」
向かい席に座っている神楽ちゃん。年は私より若くて、何でこの会社にいるのか聞いてみたら「あの天パに誘われたアル」とか言っていた。何でもありなんだな、ここは。と考えていたら、私の机にコトっという音がした。顔を上げると新八くんがいた。
「いつもお茶ありがとう、新八くん」
「いえ。はぁ…もう、きちんと仕事をしてくれるのはモコさんだけですよ…」
「ははは。新八くん、大変だね!」
「そんな人事みたいに言わないでくださいよ!何もしない銀さんだから、こっちに仕事が回って大変ですよ!」
「うん…そうだね。確かにこの仕事量はないと思うけど、最近は慣れたし、もう平気になっちゃったかも。…変かな?」
「そんなことないですよ!むしろ助かりますから!」
「新八くんにそう言われると頑張れる気がする!よし、やるぞ!」
「頑張ってくださいね」
そう言って自分の席に戻った新八くん。さて、仕事をするかと思った時に、名前を呼ばれた気がした。
「モコー」
「……何ですか?」
「仕事なんかしないで、オレのジャンプ買ってこいよー」
「嫌です。やらなきゃどんどん仕事が溜まってきちゃいますから」
「ちぇ…。新八ー」
「無理です。誰のせいでこんなに忙しいと思ってるんですか。少しは仕事してくださいよ!」
「ジャンプを読むことがオレの仕事だ!」
「違いますから!」
そんなこんなで、今日の分の仕事が終わり上がった。家に帰ろうとしたロビーに出た。そしてキョロキョロしている山崎くんを見つけた。私が声をかけるとこっちに走ってきた。
「どうしたの?」
「どうしたのって…春日さんはまだ家の鍵がないから、オレの家に入れないでしょ?だから迎えに」
「あ、そうだった…。ごめんね、わざわざここまで迎えに来てもらっちゃって」
「仕事場は隣だし、大したことないって!さぁ、買い物して帰ろうか」
「うん!」
――――――
「春日さんは、今日何食べたい?」
「……オムライス希望してもよろしいですか?」
「好きなの?オムライス」
「うん…!」
私がそう言うと、オムライスに必要な材料と他に使うもの等をかごに入れてレジに向かった。家に帰ってからは、ちゃっちゃと器用な手つきでオムライスを作っていった。やっぱり器用だなぁ。そして席について、二人同時にいただきますと言って食べ始めた。
「なんか、まだ山崎くん家に居座ってすぐなのに我が侭言ってもいいのかな…?」
「なんで?オレは頼ってくれてる感じがして嬉しいけどなー」
「このままじゃ、私の気がすまない!あのさ、ご飯を順番に作るってのはどうかな?料理なら得意だからさ!」
「本当に!?オレ、実は春日さんの料理食べてみたかったんだ!じゃあ、明日から順番に担当しようか。春日さん、明日からでも平気かな?」
「うん!任せてよ!」
明日から料理を順番に作ることが決まった。何を作ろうかなぁ。栄養バランスのある方がいいよね。明日は肉じゃがでも作ろうかな。
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