やっぱり直接話した方がいいと思って、私はお妙ちゃん、神楽ちゃん、新八くんを家に呼んだ。
揃ったみんなを、リビングのソファーに座らせて、私は立った状態。
「モコ、どうしたアルカ?」
「神楽ちゃんはしーっ!モコさん、大事な話っぽいから」
「ゆっくりでいいわよ。話してちょうだい」
お妙ちゃんと新八くんには何か話があるって、ばれてたのか。まぁ、そっちのほうが話しやすい。私はゆっくりと口を開いた。
「この部屋、本当は私の部屋じゃないの。退くん…覚えてる?合コンの時に一緒にいた彼。あ、新八くんは知らないか…。その…退くんの部屋なんだ。家探してたんだけど、見つからなくて…そしたら、退くんが一緒に住もうって言ってくれたの」
私が一通り話すと、お妙ちゃんが質問した。
「いつから?」
「家が吹き飛ばされた日から…」
「結構経ったのね」
「うん」
顔をあげると、みんな笑顔だった。よくわからなくて、首を傾げた。
「話してくれてありがとアル!」
「僕、モコさんのお世話になった彼にあってみたいです」
「あ、新八くんみたいな人だから、気が合うかも」
「本当ですか…!」
話してよかった。
ずっと胸の中にあった、気づかないぐらいの小さなもやもやが消えた気がした。
その後、退くんが帰ってきて、お妙ちゃんにぼこぼこにされそうだったり。新八くんと意気投合したり。神楽ちゃんに鼻で笑われたり。
いつもより楽しい日になった。
――――――
みんなが帰った後、私はお皿を洗いながら、リビングにいる退くんに話しかけた。
「退くん」
「なーにー?」
「ありがとう…。私を助けてくれて」
「…当然のことをしたまでだよ」
「退くんが助けてくれた人でよかったって思ってる」
「ありがと…」
お互い顔を見合わせて微笑んだ。
この胸の高鳴りは、まだ気づかないままにしておこう。
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