「ごめんなさい!」
「平気だよ。モコちゃん料理作り終えてたみたいだしさ」
「でも…」
「でもはなし。モコちゃん疲れてたならムリしないの!」
「はーい…」
昨日そのまま爆睡して、起きたのは次の日の朝。本当にスミマセンでしたって気持ちがいっぱい…。
料理作ってあっても、やっぱりなんかしっくりこなくて。
「…沖田さん怒ってました?」
「怒ってなかったよ。もう、モコちゃん心配しすぎ!」
「…スミマセン」
しょぼんとしてしまった私を見て、退くんは頭をなでてくれた。うー…退くん優しい…。
昨日のお詫び、何かしたほうがいいよね。あ…。
「退くん、お弁当作る」
「え?」
「沖田さんと退くんのお弁当作るから!昨日のお詫び!」
「…ま、いっか。言ってももう止める気はないんでしょ?」
「うん!」
てきぱきとお弁当のおかずを作っていく。沖田さんと退くん、同じ職場だし、中身同じじゃ恥ずかしいよね。
そう思って、二人のおかずを少しアレンジして作っていった。
昨日のリベンジって思いながら作ってたら、いつもよりなんか豪華な料理、というかお弁当なんだけどね。
出来上がったから、退くんに2つお弁当箱を渡した。
「ありがとう」
「もとは私がいけなかったの。昨日より絶対美味しいから!」
「ふふっ、了解!」
ふたりで家に行ってきます、と言って出た。
―――――――
「おはようございます」
「モコさんおはようございます」
「…モコ。何かいいことあったアルカ?」
「え?」
「ニマニマしてるアル」
「うそ…!」
バッと自分顔を手で隠した。恥ずかしい。
なんでこんなに嬉しいのか楽しいのか、自分でも正直分からない。
一人で云々してると神楽ちゃんが抱きついてきた。
「モコから男の匂いするネ」
「も、もしかして…モコさんが嬉しそうに笑っていたのって…!」
「違う違う!違うってば!!だから神楽ちゃんそんなに心配そうに見ないで…!」
「わああああああああああ!!私のモコが男に汚されたアルうううううう!!」
「ちっがあああああああう!」
神楽ちゃんが大泣きし始めたから、もう私はすごくパニクっていた。
違うって言っても聞く耳持たないし、新八くんはなんかショックで魂抜けてるし。
「…この匂い、モコん家に行ったときにも嗅いだアル!銀ちゃんの匂いじゃないネ…誰アルか!モコ!!」
「え!…え!?」
「はい、ストップー」
「銀時さん…!」
べりべりとくっついていた私と神楽ちゃんを剥がした。
神楽ちゃんは納得してないみたいで、「銀ちゃんのバーカ!」と捨て台詞を言って、どこかに行ってしまった。
銀時さんにお礼を言うと、頭をなでられた。
「もう神楽にもばれそうだし、そろそろ言ってやったらどうだ?ジミー君と一緒に暮らしてるっつーの」
「…です、ね」
「話してくれたほうが嬉しいと思うぜ。まぁ、何かあったらオレも何とかするしな」
「はい…!」
今日家に帰ったら、退くんに相談してみよう。
相談しないで話したら、退くんの体持ちそうにないと思うから。
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