「朝だよ。起きて春日さん」

「んっ……」



山崎くんに起こされて目が覚める。何で山崎くんの声がするんだ?ここはどこだ?と寝起きの脳をフル回転させて、ようやく落ち着いた。
そうだ。昨日、家が飛ばされてなくなって、宿無しの状態を山崎くん家に居座ることにしたんだ。



「春日さん。朝ごはんできてるから食べてて」

「うん、ありがとう。いただきます」



まだ慣れない場所で朝ごはんを食べる。ものすごく美味しい。昨日も夕飯を食べて感動したのは秘密。



「山崎くんごめんね。久しぶりに会ったのに」

「昨日から謝りすぎだよ!気にしなくて大丈夫。オレが好きでやってるんだから!」

「私も早く新しい家を見つけるから、そんな長居はしないようにします」

「落ち着くまで長居してくれても全然平気だから!そういえば、春日さんの仕事場ってどこなの?」

「あ、4つ先の駅にあって、歩いてすぐ右に曲がったらある会社なんだけど…」

「それってオレの隣の会社…」

「もしかして、曲がって左側にある会社に勤めてるの!?わぁ、すごい偶然だね!」

「オレも驚いた!じゃあ一緒に通勤できるね。あ、迷惑じゃなかったの話なんだけどさ」

「迷惑なんてそんな…!私でよかったら一緒に通勤しましょうか!」



朝ごはんを食べ終えて、昨日無事だった服に着替えてた。駅まで歩いて10分という場所に住んでいるから、いつもり余裕で家を出れた。改札を通り、電車に乗り、目的の駅に着いた。



「じゃあ、ここで」

「うん!山崎くんお仕事頑張ってね」



「春日さんもね!」と言いながら、お隣の会社に入っていく山崎くん。私も今日から新生活も仕事も頑張ろう!

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