「じゃあ、私から順番に自己紹介しましょうか」
お妙ちゃんの合図で始まった合コン。神楽ちゃんがいるということで、場所は高級レストランではなく食べ放題のレストランだった。店長さんに泣きつかれそうだね。
私が考えてるうちに、お妙ちゃんと神楽ちゃんの自己紹介が終わっていた。え、私最後なの?
「土方十四郎だ。よろしく」
「沖田総悟でさァ。よろしくお願いしやす」
自己紹介し終わったこの二人は急に喧嘩をし始めた。さっきまで落ち着いてた土方さん?がかなり瞳孔開いてる。というか恐い。
退くんの自己紹介も終わり(隣がうるさくて全然聞こえなかったけど、終わったみたい)私の番に回ってきた。何だかこういうの緊張する。
「春日モコです。今日はよろしくお願いします!」
「あ、そうそう。モコは私達のだから渡さないわよ?」
「そうアル!」
え、ちょっと何言ってるのこの二人。だったら私を合コンに呼ぶ意味がないじゃないか。
これを聞いて反応した沖田さんが、神楽ちゃんに反抗した。
「何言ってるんでさァ。モコはオレのだって100万年前から決まってるんでィ。テメーらにはあげねーよ!」
「テメー表出るアル!誰が正しいか教えてやるアルよ!!!」
「おめーもガキじゃねーか」
「黙れガキィィィイイ!!」
こうして神楽ちゃんと沖田さんがいなくなった。あれ、これ合コンだよね?イチャイチャラブラブみたいな雰囲気だすものなんじゃないの?
きっと退くんと考えていたことが同じだったのか、目があったときに笑いだしてしまった。
「沖田さんってあんな人なんですね」
「いや、本性はオレを殺そうとしてるぞ」
「へー…え?」
私が退くんに話をした時に、土方さんが口を挟んできた。
「殺そうとしてるって危ないじゃないですか!?平気なんですか…?」
「あぁ、もう慣れた」
「いや、慣れるものじゃないと思いますよ。ね、退くん」
「オレも慣れちゃったんだけど、ダメかな?」
「退くんまで!?」
何だかすごい仕事場なんだなぁ。そろそろお腹が空いてきたからご飯に手をつけようとしたら、土方さんがマヨネーズ1パック分をご飯にかけていた。
吃驚しすぎて思わず退くんを見たら、いつものことだから平気と小声で言われた。うそでしょ。
「あ、そういえば私、卵焼きを作ってきたんですけど、土方さんいります?」
「ありがてぇな。もらっとく」
「モコちゃんと山崎さんもいかが?」
「私はいいかな。折角作ってくれたのにごめんね」
「オレも嬉しいですけど、もうお腹いっぱいなんで」
「あら、そう?」
退くんはお妙ちゃんと会うのは初めてだけど、私が軽いイタズラで卵焼きをあげたことがある。それから黒い卵焼きは食べないようにしているらしい。というか食べれないよね。
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