「え…今、沖田さんって言った!?」
「うん。確かそういう名前だったと思う…。勝手に家に入ってきたと思ったら、ご飯だけ食べて帰っちゃった」
「そ、そっか…」
オレが帰ってきた日。モコちゃんが何か悩みながら来たから相談に乗ろうと思ったら、沖田さんの話で。
昨日来たなんておかしい。だって沖田さんはオレがいないって知ってたはずだし。
というかあの人オレん家の鍵持ってるなんておかしいよな。うん。
「オレ明日聞いてみるよ。何で沖田さんが家に来た理由」
「そうしてくれると私も安心する。……あの」
「何?」
少しそわそわしながら、あの、その、といい続けているモコちゃん。モコちゃんを見つめながら待っていると、決心がついたのかようやく口を開いた。
「一緒に寝ても、いい?」
「へ、」
「あ!別に嫌ならいいの!!ムリはして欲しくないから!」
「いや!!ムリじゃないけど!」
正直言って、モコちゃんからこんな台詞がくるとは思っていなかった。
理由を聞いてみたら「昨日、一人でいるのがとても心細かったから…」と言った。あぁ!もうモコちゃんはどこまでオレを追い詰めれば気がすむんだよ!!
「じゃあ一緒に寝ようか」
「あ、ありがとう!私、先に退くんの部屋に行ってるね」
「うん」
今日この後、オレも部屋に行って一緒にベッドに入るけど、緊張しすぎて寝れるはずはなかった。
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