ピンポーンと言う音が部屋中に響いた。それを合図に私は玄関に小走りで向かい、ガチャっとドアを開けた。
「いらっしゃい!お妙ちゃん」
「お邪魔するわね」
「ごめんね、昨日掃除したんだけどまだ汚いよね」
「そんなことないわよ!十分、寧ろキレイすぎるわ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
私はお妙ちゃんを自分の部屋に連れていった。前より部屋っぽくはなってきたけど、やはり必要なものしか置いていないから広く感じる。
「何にもない部屋で面白いでしょ」
「そうかしら。私は好きよ。モコらしいもの」
「そう?」
それからは他愛もない話がずっと続いた。
会社の話とか昔の懐かしい話とか、久しぶりにお妙ちゃんとたくさん話しができて楽しかった。
そして時間が過ぎるのは早くて。
「あ、もうお昼の時間…。今から準備するから待ってて!」
「モコの手料理も久しぶりね。やっぱり煮物かしら?」
「正解!お妙ちゃんには何でもお見通しだね」
「だってモコのことですもの」
朝作っておいた料理を温めて、お皿に盛った。久しぶりに煮物作ったけど、なかなか上手くできたよね。
料理の入ったお皿をリビングに持っていった。
「はい、お待たせ」
「ありがとう。にしても、相変わらず美味しそうな料理ね!どれか持って帰っていいかしら?」
「うん!実は沢山作りすぎたんの。だから持って帰ってくれると本当にありがたいです!」
「じゃあ帰りにタッパ借りるわね」
「準備しときます」
それから二人で昼食を食べていたけど、お妙ちゃんはずっと料理を褒めてばかりだった。
嬉しいけど、そんなに褒めると照れてしまう。…恥ずかしい。
「そろそろ帰ろうかしら」
「もうそんな時間!?早いなぁ…」
「また遊びに来るからね」
「…そのときは、今日より美味しい料理作っときます」
「今のでも十分美味しいけど、期待しとくわね」
お妙ちゃんに昼食の残りを入れたタッパを渡した。「ありがとう」と言ったお妙ちゃんを玄関まで送った。
新八くんも美味しいって言ってくれたら嬉しいな。
今日は疲れたけど楽しい1日でした。
>>しおりを挟む