この状況は何だろうか。昼休みに誰かに呼び出されてついていったら、たくさんの人に囲まれていた。うーん…スバル辺りの恨みなのかな…。


「逆巻の女ってコイツでいいのかよ」
「いつも一緒にいるからそうだろ。にしてもちっちえーな」
「スバルには伝えたのか?」
「ばっちりだぜ」


あ、やっぱりスバル関係なのか。あれだけ問題起こさないようにって言ったはずなのに、相変わらずだなぁ。ぼーっとしている私が気になるのか、一人が近づいてきた。


「怖くねえのかよ」
「お兄ちゃん達の方が恐いもん」
「はっ…つまんねえ。にしても、お前いい体してるな」


つつつーと首を指でなぞられた。気持ち悪くて鳥肌がたった。知らない人に触れられると本当に気持ち悪い。早くスバル助けに来ないかな。私の反応が気にくわないのか、急に髪の毛を掴んできた。


「痛い…!」
「わざとだよ。お前本当につまらねえんだよ。暇潰しにもならねえ」
「あなた達なんかスバルにぼっこぼこにされて終わるだけだもの。あっという間なことに興味なんてわかないよ」
「んだとこのっ!」


ばちんっと大きい音がなった。頬を強くぶたれたみたいだ。お陰でその拍子に唇が切れた。切れた唇から血が流れ出していた。これ見たら、相当怒るんだろうな。


「マナミ!」
「スバル!」
「来たな…逆巻スバル…!」
「うるせえな!マナミに手出してただで済むと思うなよ!」


完全に怒ってる。これは早く終わりそうだ。

あっという間に全員をぼこぼこにした彼。倒れている彼等は死ななかっただけでも感謝しないとだね。


「どこか怪我はねえか!?」
「唇だけ切れた」
「ほら、来い」
「うん!」


彼の元へ行くと、ぺろっと切れた唇を舐めた。傷は治ったけど、まだ彼は舐め続けている。


「もういいよ…っ…スバル」
「これに懲りたら、簡単にホイホイ着いて行くんじゃねえぞ」
「…はーい」


末っ子なのに頼りがいがあるなんて、しっかりしすぎて私が年上なのを忘れてしまう。だからたまに…本当にたまに。


「スバルお兄ちゃん」
「は!?」
「今の、なし!」
「意味わかんねえ…」


お兄ちゃんって呼びたくなる。でも呼んだときに見せる彼の顔はまだ幼くて、やっぱり私が年上なんだと再確認できる瞬間だった。


「帰ったらみんな怒るかなぁ」
「レイジ辺りが怒ってるだろうな」
「そうだよねー。ねぇ、スバル」
「あー……構えってか?」


彼は頭をぽりぽりかきながらだるそうに言う。


「だって元々はスバル関係だもん!」
「わーったよ…チッ」
「ありがとう!大好き!」


真っ赤になった彼はとても可愛くて、ぎゅっと手を繋いだ。家に着くまで離してあげないから。その思いも含めて力を少し強める。彼もそれに応えるように握り返してくれた。

私今、幸せだよ。



20130122

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