あの兄弟は独占欲が強い。何かと痕をつけるのが好きみたいだ。でも、牙の痕や傷つけるものはすぐに治ってしまう。それにイライラしたのか、最初に首元を思いっきり噛んだのがカナトだった。それから兄弟みんな、私に何かと痕をつける様にになった。


「ほら、脱げよ」
「なんで…」
「俺様の言うことが聞けねぇの?」
「ちょっと…っ」


ビリビリと思いっきり服を破かれた。これなら自分で脱げばよかったと後悔した。


「真っ白だな」
「日向キライだもの」
「んっ…」


アヤトは私の横っ腹に唇をくっつけ思いっきり吸った。吸血の時とは違う痛みで声を抑えるのに必死だった。
何ヵ所か同じ事をして、満足したのか彼は起き上がった。


「キレイに残るもんだな」
「アヤトが触れた部分が真っ赤…」
「キスマーク、覚えておけ。これは俺がお前を大事にしてるアカシだ」
「…そっか。ありがとう」


彼の頭を撫でてあげると、優しい微笑んでくれた。この感触、私は大好きだ。

ご飯の時間に近づいてきたので、寂しいけどアヤトから離れる。


「ご飯食べてくるね」







「あ、レイジお兄ちゃん作ってくれたんだ…」


キッチンに行くと、料理が置いてあり、丁寧に私の名前まで書いてあった。まだ温かいから食べちゃおうと思ったら誰かが来た。


「マナミちゃんやっほー。今からご飯の時間?」
「ライト…うん、ご飯食べるの」
「ふーん。にしても、マナミちゃんからアヤトくんの匂いがぷんぷんするね。ナニしてたのかな?」
「アカシつけてもらった」
「アカシ?」


彼にさっきアヤトがつけてくれた部分を見せた。彼は興奮したみたいで、にやけていた。分かりやすいなぁ。


「ライトもつけたいの?」
「んふ。マナミちゃんってホントに誘うのが上手だよねー」
「んっ」


口を塞がれた。少しびっくりしたけど、ライトのキスは他の兄弟よりねっとりしているから好き。お互いの唇を離すと、彼の唇はうなじへと向かって行った。


「ボクはココにしようかな」
「うん」
「…、…んっ」
「あ…っ…」


割れ物を扱う様にゆっくりと、でもきちんと痕がつくぐらいの強さで吸っていた。気持ちよすぎて、思わず彼の腕にしがみついた。


「マナミちゃん、やっぱりビッチだよ」
「んんっ…だって、みんなが優しい、からっ」
「かーわいい。はい、ついたよ」
「ありがとうライト」


私がご飯を食べる頃にはすっかり冷めてしまっていた。レイジお兄ちゃんにバレませんように。



20130118

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