なかなか名前ちゃんの虐めが解決しないまま、数週間が過ぎた。オレが焦っている時に、美奈子さんと名前ちゃんが仲良くなっててチョット嫉妬。「ニーナには渡さないもん」と宣戦布告されたけど、オレだって負けねー!
虐められている理由はこの前分かった。オレや琉夏さんにお近づきになりたい子の嫉妬心が原因。でもこれってどうすりゃいいんだろ。ハッキリ言った方がいいんだろうけど…名前ちゃん困らねーかな…。
放課後、美奈子さんと一緒に歩いている名前ちゃんを見つけた。これはチャンスと思い近づいたら、美奈子さんが校門外を指差した。ナルホド…学校内じゃ危ないもんな。
着いて行くと、二人は公園に入っていった。そしてオレは声をかけた。
「ニーナが話したいんだって、名前ちゃん」
「……っ」
「逃げん、な…!」
ガシッと名前ちゃんを抱きしめた。彼女は逃げ出そうと必死に体を動かしていたけど、それを阻止するためにさっきよりも力を込めた。
「何も話さなくていいから、このまま聞いてて。 …オレ、あんなコト言ったのにまだ何にもできてねぇ。マジ情けなくね?だからもう少し待っててくんねーかな…もう少し…」
言いたいことだけ言って、彼女を離した。本当身勝手だなオレ。
「じゃあね、名前ちゃん!」
彼女がいる場所から去ろうとすると、震えるような声が聞こえた。
「待ってるから…っ!ずっと待ってるから…助けて……っ」
いっそのこと頑張らなくちゃいけないな。早く解決しないと、名前ちゃんが壊れてしまう前に。 オレは笑顔で手を振った。
20121213
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