「名前ちゃん、今時間平気?」
私は名前ちゃんを呼び出した。最近噂で流れてきた"死神が虐められている"と言う話。名前ちゃんの事を"死神"って呼んでいるのに内心怒っているのに、そんな噂を聞いたらいてもたってもいられなかった。 彼女を人気の少ない場所に連れていった。そしてぎゅっと抱きしめた。
「こ、小波先輩…!?」
「名前ちゃん、よしよし。独りで何とかしようなんて思わないで…ね?」
頭をなでながらそういうと、彼女はおずおずと問いかけてきた。
「甘えても…いいんですか?」
「うん、甘えていいよ。辛い気持ちも半分こしよ?そうすれば大丈夫だから、ね?」
「半分こ…」
「そう。半分にすれば名前ちゃんが壊れる心配はないもん」
名前ちゃんは、そっと私を抱き返してくれた。私はそれに応えて、さっきよりも強く抱きしめた。
「美奈子先輩…半分こ、してください…っ!」
「うん!半分!」
泣いているのか、名前ちゃんは鼻をずずずと鳴らした。まだ泣いている彼女の背中をぽんぽん叩いた。
「美奈子先輩…大好きです〜…っ」
「私もだよー!よしよし」
「うわぁぁぁん!」
一人で強そうに生きている様に見えるけど、本当は誰かに頼っていかないと生きれない弱い、弱い子って私達は分かってる。多分、ニーナも止めるよう努力しているはず。だったら、私は名前ちゃんの支えにならなきゃ。明日からは思っている以上に大変だろうな。
20121205
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